負担率2割

今年10月から後期老人の保険料の負担率が1割から2割に引き上げられる。

収入が低い方の割合は1割で変わらないのだが、2割に変更になる方の負担は当然増える。突然、窓口での支払いが2倍になるのはまずいと考えた厚労省は”配慮処置”を準備している。
いわく、2割へ負担増になる方へ、「あなたは医療保険である額を払っています。今度保険改正で少し負担を多くしてもらいます。ただし急に多く支払うようになる方もいるかもしれませんから、増える額が最大3000円までにします」とのこと。
ほかにも「1か月の外来医療の窓口負担割合の引き上げに伴う負担増加額を3000円までに抑えます」などの説明があるのだが、とても違和感を感じている。

問題を整理すると、いままで1割負担であった人が従来の支払いに比し最大3000円まで多く負担するようになるのは、月に医療費が3万円になったときだ。というのは今までの1割負担だったら3000円でよかったのが2割負担になると6000円払わなくてはいけないからだ。
つまり6000-3000=30000 となる。
それ以上になるといろんな補助が出るしくみになっているのだが、つまり、当局がここでいいたいことは6000円まで払ってもらいます。それを超したら補助を出しますね、ということにつきるのだ。

だが、説明ではこの6000円がなかなか登場しない。下の図のように表にすれば6000円のラインは当然登場するのだが言葉では6000円が見当たらないのだ。

商品の価格設定ではいろんな戦略があるようだ。有名なところでは100円ではなく99円などのように、切りの良い値段よりも安く感じさせることで購買意欲を高める「端数効果」がある。

ほかにもネットで調べると、プラシーボ効果、威光効果 、松竹梅効果、アンカー効果などいろいろあるようだが、さてこの厚労省の言い様はどんな効果を狙っているのだろうか。

6000円までは負担率どおりに払ってもらう、それ以上になったら補助がでるという話なのに、やたら3000円という支払額が目立つ。もちろん3000円でも十分高いけど6000円といわれるよりは安心感、お安い感が増す。
これって国民の油断をつく効果を狙っているのではないだろうか。
つまりこの効果は”国民の裏をかこうか”、である。

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