此の世の果ての殺人(荒木 あかね 著)

今年の江戸川乱歩賞を受賞した作品だ。本の最後にある審査員の方々のような講評などもちろんできないので、内容を少し紹介するにとどめたい。

舞台は福岡市近郊で、あと数か月で小惑星「テロス」が熊本あたりに落ちてくる、したがって人類が滅象するかもしれないという設定で、主人公の周りに起こった連続殺人事件を少し無理のある設定の仲間と解明していくというお話だ。

事件の関連にもかなり無理があるような気がするし、数か月後には地球滅象を迎えるかもしれない街の状況としてもかなり違うのではないだろうか、そんな疑問を強く抱いたのだが、優秀賞に値すると満場一致で判断された審査員の方々は当然、著者を褒めておられるので、きっと院長の読解力不足なのだろう。

ところで、本に倣って地球最後の数か月になにをするか、考えてみたがなかなか思いつかない。ただしないことは列挙できそうだ。

たとえば、健康を気遣って質素な食事をこころがけることはしないだろう、もちろんお酒を控えることもないだろう、神社に行って手を合わせることもないだろうし、引き続き、女性からモテモテになることもないだろう。
医学書を読み漁ることもないだろうし・・・まぁ数え上げるときりはなさそうだ。

あ、そうそう、かなり無理をしたとしてもこの本を再び手にすることはないだろう、講評はできない院長だが、そう思うのであった。