警察機構の詳細かつそれぞれの部署に配属された人間感情の微細な記述に比べるとややプロットには緻密さが欠ける、そんないわば奇妙な不等式を想起させる推理サスペンス小説であった。
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日常
旅に出るひとつの理由は、非日常に出会える期待があるのだろう。
非日常は人によってことなる。気ぜわしい時のなかに生活する人はゆったりとした時間の流れにそれを求めるかもしれず、その逆もまたありえる。
だからといって、自分の日常がどういうものかを具体的に語るのは、難しいかもしれない。
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勝手読み
森田真生さんの「偶然の散歩」を読んだ。
数学者である森田さんのエッセイだ。なまくらに生きてきたものには、とうていたどり着けない深淵な言葉がちりばめられている。
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背帯
背帯にかかれた文字にひかれたのは、己のセンスのなさを露呈するだけだった。
そこにはこんな文字があった。
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「目の見えない精神科医が見えなくなって分かったこと」(福場 将太 著)
著者は北海道で精神科医として勤務している方だ。
なにかに少し戸惑っているような障がいを持った方を見かけたとき、正直、声を掛けていいのかどうか、判断に迷うことがある。
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ああせい、こうせい
学生の頃ラジオで聞いた忘れられないフレーズがある。
「ああせい、こうせい」だ。確か永六輔さんの番組で、あいまいな記憶だが、きっと軽妙な人生相談だったような気がする。
いずれにしても人を引き付ける語り口で、そして番組の最後に女性の「ナレーションで、ああせい、こうせい は永六輔でした」と流れるのだった。
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酸化還元剤
p値
p値についてメモしよう。ピーチといっても桃のようには甘くない代物だ。
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笑い
笑いは人生の重要なスパイスだ。院長のまわりも、院長に対する冷笑をはじめとする苦笑、嘲笑など笑いが絶えない。
今日もある笑いに出会った。
休日でもあり英語の学習も兼ねてCopilotと遊んでみたときのことだ。
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HL7
お上の医療機関への強要は、年を追ってひどくなっている。
やれオンライン顔認証だ、やれ電子処方せんだ、やれ電子カルテの共有だ、といろんな年貢が百姓の肩に重くのしかかる。
一向一揆を起こしたいのだが、所属団体が一向に一揆を起こす気はなく、しかたなく顔認証や電子処方せんの体制を作っているのが現状だ。
あとは電子カルテの共有さえ仕上げれば、とりあえずこのドン百姓の年貢割り当てはこなしたことになる。
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