対話

ソクラテスやプラトンでなくても対話は楽しい。
昨夜の食事中も対話が盛り上がった。ジブリミュージアムができるらしいという話から中学3年の息子が「トトロ」に話題を振った。
いわく「父親と女の子たちの入浴シーンはアウトではないか」
どこかで聞いた話を自分も納得したということらしい。

メイは9才、サツキは12才。
院長は反論する。「あのまっくろくろすけも登場するシーンは家族が一緒にいれば怖いことなんてない、ということを温かく表現しているのではないか」
息子はいう「でも親子でもサツキのような物心ついた異性が一緒に入浴するのはいただけない」
院長はビールをあおりながら諭すように語る「サツキが嫌がっているのに父親が無理に一緒に入浴させれいれば問題だが、そうではない」
息子はいう「でもサツキは子供ではなくもう女性だ。裸のシーン、それも異性と一緒に入っているシーンなど言語道断だ」
院長は天井をあおぎながらまた諭すように語る「パパとサツキとメイだったら、きっとパパは逮捕されていただろう」

一緒に食事していたカミさんと双子の片割れの息子も院長の深淵なる意見に同意していたようだが、結論らしきものがないまま、対話は終わった。

ところが今日起きてネットで検索してみると、あのシーンは外国で物議をかもしているらしいということが分かった。ペドフィリアを誘発するのではないかとの意見まであるらしい。

ああ、そうだったのか、知らなかった。文化の違いでそんなに受け止め方が違うのだ。
今後気を付けなければいけない、と心に刻む。

かくしてネットで拾ってきた文言でごまかすと、ソクラテスのいう無知の知を知り、プラトンのいうイデアに一歩近づいた、となる。

でも正直、どうでもイーデアはないか、という気もあるのだが。