ビットコイン

ときどき、いかがわしいメールが届く。
おまえ、いかがわしいサイトを見てるだろう。おまえのPCにウイルスを送り込んでいるからすべて判っている。いかがわしい写真を隠し持っていることを公開するぞ、それがいやなら金を出せ、とまぁ要約するとこんな内容だ。

もちろんいかがわしいサイトを覗くことなど今は微塵もなく、いかがわしい写真など今はどこにもない。いかがわしいものは、しいていえば今は院長のポートレートぐらいなものだ。
ブラフのメールに違いなく、不特定多数に送っているのだろう。なかには心当たりの人にも届くことになり、そこそこの金銭を得ることもできているのかもしれない。

なぜこんなメモしたかというと、その相手は金銭をビットコインで払えと要求しているからだ。

ビットコインはブロックチェーンという仕組みで動いていることは知っている。
ブロックチェーンとはいわば江戸時代の5人組をべらぼうに拡大した相互監視システムだと理解している。だれかが嘘をつけばすぐに分かるのだ。
そこに院長が欲してやまない「信用」というものが生まれ、たとえば「仮想コイン、何枚か貸そう」などといった行為に通貨としての価値が保証されるのだ、たぶん。

とはいえ、ビットコインなどどこに行ったらゲットできるのかさえ、まったく見当がつかない。
院長と同じように、どうやって支払を済ませればいいのかわからない人もたくさんいるのではないかと危惧する。