モノレール

 今日、ある大都会へ、はるばる田舎から視察に行った。で、そこのモノレールに乗ったときのこと。ある駅で停車したあと、すぐに、「停車位置を修正します」と車内アナウンスがあったかと思うと、少しバックし始めたのね。驚いたのはボクだけでなく、斜め前でヘッドホーンをつけて本に見入っていた若者もなにごとかと顔を上げてキョロキョロしてる始末。
 電車がうっかり駅を通り過ぎたとか話は聞いたことがあるけど、ちょこっとバックしたなんてのは聞くも見るも初めてのことでして。


 というのは、安全のためかホームと線路の間に壁が設けてあり、ちょうど電車の乗降口に合わせてその壁の一部が開くようになってるのね。だからきっちりそこに合わせて止まらないと、ちょうど院長の人生と一緒で、開いたと思っても壁があるような事態も起こりうるわけ。
 でも田舎からとはいえ都会の匂いを漂わす院長さえ驚いたぐらいだから、生粋の田舎のおじいさんなんかがホームにいたら、ほんとにびっくり仰天するだろうね。
おじいさん「なんで戻るんじゃ」
運転手さん「ちょっとヘマしまして」
おじいさん「そうじゃろ。さっきのままじゃ乗れないぞ」
運転手さん「もう乗れます」
おじいさん「これでほんとの、モウ、ノレールってわけじゃな」

電車を降りたあとは、都会の雑踏のなかを指さし確認を行いながら、目的地まで進んだのでありまして。

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