アニメセレブレーション

スーパーの福引きで1等を取ったわけではないのに、どういうわけか、ここ1,2年で何度もUSJに行っている。HTBより北、TDLより南、AKB48はいないがNMB48がいるあのUSJだ。おかげで園内のトイレのドアの開け方ぐらい空んじることができるほどにはなっている。確か、ドアノブを握る、次に手前に引く、そんな感じだった。
だが永い間、分からなかったアトラクションがある。というかその仕組みに疑問さえ抱いていなかったというのが正直なところだ。アニメセレブレーションというアトラクションだ。
でも先月いったときに3回ほどショーを見直して、おおよその見当がついたつもりなのでメモしておく。


ショーの内容を説明しよう。小学校の体育館にあるひな壇ほどの広さの舞台でショーは進行する。段の高さはそれほどでもなく、大人の腰のあたりといった程度だろう。観客席の最前列はその檀から1mも離れていない。ただし不思議なことに舞台の手前下から舞台奥に向かって斜めに(これが味噌なのだが、おそらく45度と思われる)舞台の正面全体を覆うようにガラスが張ってある。そのガラスの奥でアニメを制作する吉川という若い男性プロデューサーが一人芝居をするのだ。
パソコンやデスクや棚などが配置してある作業場で吉川が、据え置きのテレビから声と映像で出てくる上司からせかされながらアニメ制作をやっているという設定だ。そして吉川があわてながら作業をしていると、突然アニメのウッドペッカーがアニメメーションとして張ってあるガラスに映し出されるのだ。
ガラスに映ったウッドペッカーは吉川をからかったりいたずらを始める。それを吉川がやめさせようとドタバタ劇が始まり、結局最後は吉川が持ち出した掃除機にウッドペッカーは吸い込まれ、再びウッドペッカーはアニメの世界に戻され、めでたしめでたしというストーリーなのだが、最初見たとき、アニメと吉川の息が非常にうまく合っているショーだな、という程度の感想で終わっていた。でもUSJになんどか足を運んでいるうちに、どうしても納得がいかない点がでてきたのだ。
ウッドペッカーが吉川の攻撃を飛びながらかわし、その後にホバリングしながら吉川の頭をくちばしで5,6回、すばやくつつくシーンがあるのだが、そのくちばしの先端がジャストミートで吉川の頭を突いている。それも頭に手をやって防御姿勢を取っている吉川は中腰状態なのだ。
最初、吉川はガラスに映ったウッドペッカーをガラスの奥側から見ながら演技していると漠然と思っていた。でもいつも正確に吉川の頭に当たっている様を見て、それではあのくちばしで突かれる演技はとうていできないことに気づいたのだ。
きっとあのシーンは吉川は実際に頭の上にあるなにかに頭をぶつけていたはずだ。それはきっとアクリル板かなにかでできた透明の板ではないかと思う。
その位置にあわせてウッドペッカーはあらかじめアニメ化されていたのだ。
ではなぜアクリル板かそれに類似するものが観客には見えないのか。これがこのアトラクションのキモのはずだ。
ネックは鏡だ。鏡というのは三次元のものが二次元に投写されている。
毎朝、顔を洗ったときに鏡を見ていると思う。そのとき当然自分の鼻も映っている。でも鏡のなかの鼻は出っ張っているだろうか。
答えは、これも当たり前のことだが、出ていないのだ。
そういうトリックを使ったショーだと確信している。
これ以上メモすると今後ショーを見る人たちの夢を壊すことにもなり、また間違っていたときには院長の名誉を損ないかねないのでやめるが、そうした目で観劇していると、いろんな音が天井から聞こえてきたような気がした。

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