クラリス

双子たちよ、そろそろサンタさんにプレゼントのお願いを始めたようだけど、そろそろ驚きの事実を語ってあげなくてはならなくなったようだ。まだ1年3組のなかでこのことを知っている友達はごくごく少ないだろう。だからあまり口外しない方がいいかもしれない。


実はサンタさんはいないのだ。いままでのプレゼントはすべてお父さんとお母さんがお金を出して君たちに買ってきたものだ。
だから高さ4m、幅3m、重量約4.5tのクラリスはいくらお願いしても絶対に届かない。君たちの頭のなかでは指数関数的にニューロンがネットワークを形成しているのだろう。それにともなって欲望も指数関数的に増大しているのは分かる。


でも、1億円のロボットは買えないんだ。雑誌に世界で3000人が持っていると書いてあったからといって、君たちは3001人目には絶対にならない。
なぜできないのか、教えてあげよう。
クラリスを買うためにはお金が必要だ。それは銀行にある。でも普通にいっては1億円を手にすることはできない。クラリスに乗って銀行まで行かなければいけないのだ。少しぐらい銀行の人が驚くし、そとにパトカーが集まるかも知れないが、クラリスさえあれば大丈夫。
どうだ、うまくいきそうだろう。
でも肝心なことを忘れてはいけない。残念なことにうちにはクラリスがないんだよ。
まぁ実際のところ、まだサンタさんはいた方がいいような気がするので、クラスタは重すぎてソリには乗らないとでもしておこう

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