文学

 スタッフが遊びで近代日本文学の題名、作家名の上げッコをしていたので、聞いていたら思い出したこと。
 石川啄木の、
「たはむれに母を背負ひて そのあまり軽きに泣きて 三歩あゆまず」
って歌があるよね。あれ、中学校のとき授業で先生に当てられて、どういう状況を歌ったものなのかと聞かれたことがあるのね。アホな中学生院長は席から立ち上がり、こういった。


 母親が背負ってくれとせがんだので、やってあげたら軽かった。こんなに軽いのなら背負うなんてことさせずに自分で歩けばいいのに、と悔し涙を流している
 冗談じゃなく、いたって真面目に考えたこと。すごくバカでしょ?
 もちろん正解は、ふざけて母を背負ってみたけど、あんまり軽いので驚き、「お袋、やせ衰えたなぁ」と悲しくなって三歩も歩けなかったということ。
 でも、啄木のお母さんってどんな人かも知らないし、こんな短い言葉のなかでは、ボクみたいな解釈もあるんじゃないかなと、そのときは思ったのね。
 今考えれば、知識を懸命に追っかけてたけど、情操教育が全く欠落してた不気味な若造だったんだね。
 ところで、くだんの話題。クリニックに来ていた知り合いの方が、看護学校を目指すとのことで、その受験科目にに国語があるからということで始まったもの。
 でね、一人が、「路傍の石」と題名を上げると、その方が、「ゴボウの石」ですかと聞き返したのね。
 だからどうってわけじゃないんだけど、いろんなことにとても気がつき、とてもやさしい方だから、もう少し知識がつけば鬼に金棒かなと思ったわけで。
 看護婦さんになれば嫌でも、頭がゴボウみたに固いイシにもたくさん会えますからね。がんばってください。

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