C反応性蛋白


双子らがわんぱくに育っているのはうれしい限りだ。公園に行けば、前とは違い1人でブランコに乗ったり二人でシーソーに乗ったりしてはしゃぎ回っている。そしてそのわんぱくぶりは砂場にも向かうのは当然のことだ。
だが息子たちよ。待ってくれ。そこはネコのおしっこや犬のウンコや酔っぱらったおやじのションベンや、とにかく得体のしれないものが潜む場所。そして多少なりとも人に害をあたえる微生物が住んでいる場所でもあるのだ。このことはお前たちにはいつも言い聞かせているはずだ。
そしてお前たちは、ありがたいことに、わんぱく心をがまんして砂場に見切りをつけてくれている。
だがパパたちは間違っていたかもしれない。いろんな微生物に接触しないことは将来、お前たちの病気のリスクを高めるかもしれないのだ。


C反応性蛋白というのがある。体のなかで感染などが起こっていると血液中のその値が高くなるもので日常的に診察に用いられる。実はこの蛋白が、将来の心臓病などを予測するかもしれないと考えられているのだ。
ということで幼児の感染症が多いフィリピンと、そうでないけど肥満や心臓病の多い米国との間でデータを取った学者がいる。研究は1980年代に開始され3000人以上の妊婦とその子どもらを追跡したものだ。
母親たちは子どもの育児環境や家庭での清潔度(自由に動き回る家畜がいたかどうかとか)や経済的な状況を訊かれ、生まれた子供たちは20才まで4,5年おきに検査をされた。
するとフィリピンの被験者は幼児のときは多くの感染症に苦しんだのだが青年期に達した時、米国の同じ若者に比べて、C反応性蛋白が少なくとも80パーセントも低く、20台初めでは5分の1から7分の1だったという。
つまり幼いときの清潔すぎる環境は大人でのC反応性蛋白の増加を招き、ひいてはそれがいろんな病気につながるのではないかと研究者は考えている。
そういうわけでお前たちに謝ろうと思うのだが、でもよく考えるとその余波はほかにもあったかもしれない。
公園でほかの子と知り合ったときの話だ。砂場で遊ぼうと誘われたとき、お前達はどうしたらいいか、迷っていたはずだ。そばにいるその子の親御さんの前で、”バッチィけどいいの?”なんて問うような目でこちらを見つめていただろ。
いいか、それをいっちゃうとその場の空気がとっても気まずくなるのだ。だからこれから先、パパが口に指を当てて合図を送るから、ちゃんとその意味をくみ取ってくれ。
うまくやってくれよ。やれたらお前たちこそ、シー反応性腕白だ。

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