無為

今日の昼、嘱託医をしているある施設へ検診にいったときのこと。そこの施設長とは小学校からの同級生で親しくしてるんだけど、近況報告をし終わったあと、ボクが「日曜なんか何やっての?」って聞いたのね。
 本人いわく、まったくの無趣味で、一日中なにもしないんだそうな。
 もし脳卒中かなにかで寝込んでしまい、なにもできなくなったって、いまの状態と変わらないといえば変わらないわけでしょ。そんなんでいいの?、なんてちょっと揚げ足取りみたいな質問しても、「そうだな」とそいつは笑って応えるのみ。


 うーん、そこまで自信を持って言い切られると、なんだか頭が下がってしまう。”無為の思想”などという深遠な哲学を聞かされたみたいで。
 走れなくなったらトライアスロンを止め、手が動かなくなったらギター弾くの止め、今日、昼飯食べたかどうか分からなくなったら囲碁をやめて、なーんて考えているボクなんか、結局そのつどあれがやれない、これができなくなったって悔やみながら人生を終わっていくことになるんだろうな。
 これじゃ、悔いの思想だよね。
 まぁ人それぞれなんだろうけど、ほんとどっちがいいんだろね。

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