ラクダのコブ

camel.jpg
 突然始まらない文章など見たことがないから、こういう前置きは必要ないのかもしれないが、突然だけど、ラクダのコブにはなにが入っているか、ご存じだろうか。
 水だと思う人もきっと多いだろう。なにせ砂漠のなかを歩いている動物だから、そういわれると、つい信じてしまう。だがそれは間違っている。
 正解は、脂肪だ。ウソだと思うなら、”ラクダ、コブ”あたりでネットで検索してみるといい。ごまんとヒットするはずで、そのなかには必ず、コブの中身がなにかを説明しているサイトがあるはずだ。今日やってみて、ようやく長年の誤解を解いた人物がいってるのだから、間違いない。


 脂肪だとすれば、あのコブはブラブラしてるのだろうか。だとすると中東の神様が、”あぶら、肩ブラ”とおまじないを掛けながらお造りになったのだろうか。いろいろ疑問は尽きないけど、今日のメモは、ラクダの話。といっても本物のラクダじゃない。
 舞台はオーストラリアのシドニー空港。搭乗手続きを済ませたコックスさんが、滑走路を見てると、荷物運搬車が走ってるのに気づいた。あのヘビのようにくねくね動く車だろう。院長も空港に行くたびに、動きに見とれながら、自分の人生と重ねている。コックスさんは、きっとこれからのビジネスでも思い浮かべながら、眺めていたんだろう。
 だが、ふと運転手に目をやると、事態は急変した。なんとラクダの服を着ているのだ。
 どういうことかお分かりだろうか。ラクダの皮で出来た服ではない。その証拠にそばにいた彼の子供がこういっている。
「ほら、大鹿の頭の人がいるよ」
子供の発言は、半分正解で半分間違だ。確かに人だった。でも、その頭はラクダだったのだ。
 そう、つまり運転手は、ラクダのコスチュームを着ていたのだ。それを見たコックスさん、口をあんぐりと開けたままになった。
 よく考えてみて欲しい。ラクダのコスチュームなんぞ、そんじょそこらにはないはずだ。ましてや、空港職員は普通着ないものだ。
 じゃあ、どこで運転手は手に入れたのだろう。コックスさんは間違いなく、そう考えたはずだ。ただ明確な思考にはなっていない。カミさんが冷蔵庫に隠されたビールを見つけたとき、明確な思考なしに、攻撃態勢に移れるのと一緒だ。院長がこっそり買ってきたという結論に、瞬時に達することができるのだ。
 コックスさんの仕事は市場調査で、今回ラクダとワニのコスチュームをシドニーからメルボルンまで運んでいる途中だった。で、ラクダのやつも、先ほど航空カウンターで預けたバッグのなかに、入れたあったはずなのだ。だからバックから出されたものだと直感したはずだ。
 このラクダのコスチューム、コックスさんの手元に戻ったかどうかは、ネタ元には書いてないけど、現在、カンタス航空で事態を調査中だという。警察沙汰にはなってないから、きっと飛行機から降りて荷物を受け取ったときには、元通りにあったんじゃないかと想像される。
 さて、この運転手さん、シロなんだろうか、それともクロなんだろうか。
院長  「問題は子供の証言だな」
スタッフ「というと」
院長  「コブが見えなかったことになる」
スタッフ「なるほど」
院長  「コブを潰していたんだろう」
スタッフ「それで」
院長  「あぶらを撲っていたことは、明らかだ」
スタッフ「運転手さんと一緒で、オチはきびしい立場にありますね」

撲つ(うつ)① 音を立ててうつ。たたく。「撲殺・撲滅・打撲」:研究社国語中辞典より
ネタ元
‘That’s No Camel, That’s My Baggage!’ Apr 8, 2005

“ラクダのコブ” への5件の返信

  1. ラクダのシャツを着た日本のおじさんだったのでは?

  2. らくだの皮や毛はつかわないでしょう。あれはらくだ色なのです。
    ところで、らくだのこぶの中は脂肪というのはまあ、知られた話かもしれないけど、昔、砂漠を旅していた人たちが遭難した時はらくだのおしっこを飲んでいたという話を読んだことがありますね。

  3. なるほど らくだ色かぁー。カンガルーも色は似てると思うけど。
    ももひきを すててこって言うのは なぜ?

  4. ステテコと股引は違うようですよ。ネットで調べると。
    [ステテコ]
    フィット感のないひざ下丈の白いズボン下の総称。
    明治初期、芸人が着物の裾をまくり、「ステテコドッコイ」と踊ったところからその名がついた。
    [股引(ももひき)]
    いわゆるズボン下のこと。フィット感があることで、ステテコと区別される。
    室町時代、職人が履いていた股はば巾(モモハバキ)の名が変化したと言われている。
    ちなみに猿股は
    [猿股(さるまた)]
    ラクダ色の丈が短い厚い生地の下着で、パンツがわりに素肌に着用。
    猿回しの猿に履かせたことが語源である。
    ということらしい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。