甲申

 書道の先生をされていている患者さんから、毎年大きな紙に年始の挨拶を書いていただいている。その中に書いてあったんだけど、今年は、干支(えと)、十二支の勘定で甲申と書いて「きのえさる」という年らしい。
 干支や十二支という年の数え方、なにやら占いなどにルートを持つみたい。物事の帰結を神様や人のせいにせず、なるべく自己責任のなかで人生を全うしようと考えてるものとしては、ほとんど興味がないんだけど、そうはいっても通常、サル年としかいわないのに、その上に「きのえ」がつくとはどういうことなのか、この際、調べてみたのでご披露しようかと。


 まずこの表をご覧いただきたい。
 左の表の「木」とか「土」とかいうのは、昔むかし、ものの基本として考えられたもの。それにどういうわけか「兄弟」の区別があるのね。ここではキョウダイと呼ぶのではなく、兄をエ、弟をト、合わせてエトと呼ぶんだけど。
で、右の表はご存じの十二支。
 左が10個あり右が12個あるから、その組み合わせで60個あることになるらしい。
で、順に当てはめていくと今年は、きのえ甲ということになるの。
 ちなみに(西暦年-3)÷60を計算して、あまりを求めると、そのあまりが、エトの順番になっているということなんだけど。
院長  「ということで、すごいだろ」
スタッフ「よく分からないんですけど。じゃあ、最初のきのえ申は西暦何年になるのでしょうか」
院長  「ズーとズーと昔のことだね」
スタッフ「紀元前のことでしょうか?」
院長  「もう少し昔かな。ヒトがサルと一緒ぐらいだったときだね」
スタッフ「そんなんじゃ、西暦とかなかったんじゃないですか。院長、ひょっとして分からないんじゃなんですか」
院長  「そんことはない。そのとき酒盛りの場で、今年から年に名前を付けようかって話が出たのよ」
スタッフ「で?」
院長  「みんないろいろな案を出すんだけど、そのころは争いもなくみんなやさしい人ばっかしだったから、なかなか決まらない」
スタッフ「で?」
院長  「そのうち一人がこういったの。サルに近いし、みんな気が優しいから、”気のエエさる”ってのはどうでしょってね。みんなもすぐ納得してね。それが最初」
スタッフ「……今年も、わけの分からないメモになるんですね」
院長  「はい」
 ということで、今年もよろしく。

 ちなみに1月4日まで、このメモのなかで甲申を、申申(さるさる)と読み書きしていました。新年早々、予言通り、わけの分からないメモになってしまって、うれしい限りです。ご指摘頂いたH.Y氏に感謝したします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。