盗作

盗作を見破るソフトがあるそうな。身近なところでは大学でのテストで、他人のレポートを拝借してないかとか、広くは公になった文章がどこからか取ってきたのじゃないかとかを、見破るらしい。
 知的財産を守ろうということを目指しての動きなんだろう。
 知的にしろなんにしろ、財産と呼べるものを持たない身には、あまり必要のないソフトではある。


 で、思い出しこと。
 数ヶ月前、夜に公園へ行って縄跳びをしていたのね。のどが乾いたら自販機でドリンクでも買おうと財布だけは持っていってたんだけど、 飛び始めるとなんだかポケットの財布が邪魔になってきて、それではと、すぐ近くの花壇の縁に置く。身軽になってからは気持ちよく縄跳びの回数をこなすことができ、やがて汗も出始めるぐらいに興が乗ってきた。
 まだ夜も早く、散歩やジョギングをしてる人も多い。そのなかに犬を連れた散歩中の夫婦がいたのね。で、ボクのそばを通っていったんだけど、動きが止まってなんだかゴソゴソしてる気配が伝わってくる。
 縄跳びを中断して見ると、犬が花壇の植木の中に鼻をつっこんでいる。なにかを見つけたらしく、夫婦も一緒にのぞき込んでいたけど、すぐに犬の紐を引いてその場を立ち去っていった。なにか犬の注意を引くものでもあったのだろうとそのときは思って、また縄跳びを続けたんだけど。
 やがて喉の乾きを覚え、財布をと思って花壇の縁を探すと、見あたらない。植木のなかを見てもない。
 つまりは、先の夫婦とワンちゃんが拾って行ったというわけ
 自分があのご夫婦だったら、きっとそばにいたボクに持ち主であるかどうか訊ねると思う。そういう意味ではご夫婦にも若干の非はあるんじゃなかろうか。
 でもね、いくら縄跳びで思考ソフトが落ちていたとはいえ、彼らの動作がなんだったのか、すぐに気づかなかったボクがいっぱい悪いに決まってる。
 財布のなか身は数千円の小銭で、まぁ額からすればそれほどやっきになることもないんだけど、そんなこんなで自分がくやしくて、くやしくて。さっき花壇でごそごそしてた時から10分ほど経過していたときのことだから、あるいは見つけることができるかもしれないと、ただちに縄跳びを中止してご夫婦の捜索に入る。
 でも一時間近く周囲を走り回ったけどご夫婦を見つけられず、拾得物として交番に届けてあるかと足を運ぶも無駄に終わった。実は翌日も遠くの交番へ連絡を入れたけど、届けられておらず、結果的に、盗まれてるのをジッと見つめていたアホなオヤジということになる。
 知的財産を持たないんだから、盗作を見破るソフトなんかには用はないんだろうけど、せめて盗みの動作を見破る頭のソフトぐらい持てよなぁ、というのが今日のメモのまとめ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。