ゴルフ

spacegolf

 一時ゴルフに熱中したことがある。暇があったら練習場に足を運んだ。シャンクという、打ち手への反逆精神が豊かなボールの打ち方は得意になったが、それでも練習に励んだ。
 やがてあと数百年もすればプロになれると確信したが、時間の余裕がなかったのでキッパリとあきらめた。それ以来クラブを握っていない。


 とはいえクリーンヒットしたときの感覚は忘れることができない。数十回に一回のスイングで起きる奇跡なのだが、まっすぐに飛んでいくボールを見ていると、とても気持ちがよくなる。
 地面をはいずり回る人生でも大空を飛ぶことができるのだ、そうした錯覚を覚えてしまう。
 そして大空を跳び続けるボールに願いを込めるのだ。ずっとずっとこのまま飛び続けますように。明日も明後日もその次の日も次の日も。この際だから4年ぐらい飛び続けて欲しい。
 そう願っていたら実際に夢を叶えてくれる人がいた。国際宇宙ステーションで活動するソ連の宇宙飛行士だ。いまから先半年で計画されている3回の宇宙船外遊泳のうちの1回でステーションからゴルフボールをぶっ放すというのだ。
 カナダのゴルフ会社と金欠のロシア宇宙機構との商取り引きだ。
 番手は6番アイアンでボールには軌道を追えるように発信器が内蔵されている。地球の周りをグルグル回り続けうまくいけば30億キロの距離を飛んだあと燃え尽きてしまう。
 
 科学者達は宇宙のゴミが増えるだけでなく、ステーションに当たりでもしたら大変だぞと警告してますよ、ってなことがネタ元で述べられている。
 きっと莫大な額の金がゴルフ会社からロシアの宇宙機構に動くのだろう。たかがゴルフボールのためにという思いがある。そんな金があったら田舎の弱小クリニックの救済に回して欲しいものだというのが正直な感想だ。
 だが企画が動き出したとなればやはりうまく当たるかどうかが大きな関心事だ。ネタ元にも触れられているが宇宙服を着てからのスイングは大変そうなのだ。宇宙服にはダウンスイングをしたり関節を曲げたりするスペースなどないという。
 1971年に米国の宇宙飛行士が月でゴルフをしているが、地球の重力より少ないとはいえまだある状態とはまるで違うのだ。
院長  「金で玉しいを売るとはこのことだ」
スタッフ「なるほど」
院長  「宇宙ステーションに当たらない確証はない」
スタッフ「なるほど」
院長  「もしそうなれば関係者は怒るだろう」
スタッフ「なるほど」
院長  「シャンクに触るとはこのことだ」
スタッフ「なるほど」

ネタ元
Golf in space could backfire

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。