院長は心にヒ三つを持っているが、ヒトの体の臓器の数はだいたい一つか二つだ。
 たとえば心臓は一つだし、肝臓や膵臓も一つだ。一方肺や眼球は二つある。生き物としてたくさんあればそれはそれでいいのかもしれないが、無駄が生じるのだろう。一つでその機能がまかなえればりっぱなものだ。


 ただし二つないと困ることもある。耳や目は方向性や立体感を得るためには必要だ。肺も今ヒトがもっているその容量の大きさのものが一つ、体のなかでパコパコ動いていると、いろいろ支障が出てくるような気がする。
 ただ不思議なのは腎臓だ。背中の方にあるおしっこを作る臓器だが、どういうわけか二つある。一つだけある肝臓に比べれば10分の一ほどの大きさなで、二つが合わさった一つの腎であってもなんら不思議はないのに、一つなのだ。
 生きていく上で二つないとダメなのだろうか。といって、なにかの腎臓の病気で片方を手術で取った人でもほとんど普通通りに生活できる。
 でもさすがに二つなくなると困る。手術やけがでなくなるときもあるし、腎臓の病気でその二つの機能を失うときもある。
 そうしたときには血液透析という治療に移る。なかには生活しながらこの治療をしなければならない。そのときは週に何時間もベットでの安静を強いられるのだ。
 だが単行本ほどの大きさのカード型を体に装着する腎臓の働きをする器械ができるかもしれないという。
 オーストアリアの研究チームが開発しているもので、動物実験では一日に12時間毎日稼働させると、今の透析治療より効果が上がっているという。
院長  「すばらしい研究だが心配がある」
スタッフ「とういうと?」
院長  「体につけるんだろ」
スタッフ「それで」
院長  「そこが、ジンジンするのじゃないかと」
スタッフ「半人前の医者が考えそうなことですね」

ネタ元
Bionic kidney on the cards

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