胆嚢摘出術

 胆嚢を口から取り出す手術があるという。その記事を読んでから、気になることがある。
 腹腔鏡を用いたものでもお腹を開けるものでも、従来の胆嚢摘出術では当然のことながら摘出された胆嚢が患者の口に触れることはない。だが口から取り出すとなるとそうはいかないはずだ。
 自分の胆嚢とキスをしたときの感触はどんな風なのだろう。


 手術は米国のオレゴンの医者が35才の女性患者に手がけたものだ。詳しい手技はこの方法がもし広まることがあればやがて知れることになるだろうが、要は胃カメラのような器具を用いて胃に穴を開け、そこから機械を胆嚢まで伸ばして摘出するもののようだ。
 消化管は一本の管で胆嚢はこの管の外にある。消化管のなかはこのメモのように汚く、かつこのメモに似て元の姿が分からないほど食べたものをドロドロにしてしまう消化酵素がある。
 一方、胆嚢のある場所はとてもきれいな場所だ。腹黒い院長のお腹でさえ、なかはゴミひとつ落ちてないきれいなところなのだ。
 
 だから胃に穴を明ければきれいな場所が汚れドロドロになってしまう。医療従事者ならだれでもそう考えるはずなのだが、この医者はおそれずに新しい技術に向かってつき進んだようだ。
 実際に感染の危険はさほどなく、術後に必要な日数も短く、また麻酔も鎮静剤の投与だけでも可能だという。
 今後20人近くにこの手術をやる予定だというからそこでの結果が業界に届くまでまだまだ日数がかかるだろう。もしこれが安全な技術だと確認されれば、今の腹腔鏡手術と並んで広まっていくかもしれない。
 そのときのためにこの手術に名前を考えておかねばならない。もしその医者が気に入ってくれたら術名を譲ってもいい。
 もし気に入らなければ請求書付きダイレクトメールを送って差し上げてもいい。
 そうした純粋な気持ちで悩んでいるとき、ふと気になったのが最初のメモだ。
 自分の胆嚢とキスをしたときの感触はどんな風なのだろう。それがヒントになって浮かんだ術名がある。



ネタ元
Surgeon Removes Gall Bladder From Mouth

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