ETC

 今日の夜のこと。近郊の大都市に出かけたあと、タクシーを拾って地元まで帰ろうとしてたのね。
 タクシーの運転手の方、年は60台でなんでも西九州の島にずっとおられて、その大都市に来たのはおよそ一年前ということだった。で、道が不案内だからということで、それではボクがナビゲーションしましょうということで、後部座席からいろいろ指示を出したんだけど、目安となるだろうと思ったいくつかのポイントもお分かりにならない。高速を使って帰ることをお願いしてたんだけど、大きな標識があったにも関わらず、その入り口もあやうく間違えられそうになる。


 まさか九州の各地をつなぐ大幹線の高速道路の入り口をご存じないことなど、あるはずもないとは思ったんだけど、聞くと実際にタクシー業務につかれたのは半年前ということだから、まぁそんこともあるんだろうと納得。
 で、高速に乗った。するとタクシーは後続車からビュンビュン抜かれていく。スピードメーターを盗み見ると、時速は60から70km。
 なんでも高速に乗るのは3回目とのこと。
「安全運転でいってます」っていわれたけどそんなのあり?と少し苛立ちながらも、人生の先輩でもあるから、早く慣れられればいいですね、などと答える。その安全運転もやがて終わり、降りた料金所のゲートは通常の出口とETCの出口がそれぞれ一つずつ開いていた。
 で、その運転手さんが入ったのはETCレーン。
 そうか、いまどきのタクシーにはETCが装備されているんだと感心したのもつかの間、ゲートは開かず、そばにあるインターホンから バックするように係員からの指示が流れる。
 運転手の方、なにがなんだか分からない様子だったのでお聞きすると、ETCというものをご存じなかったわけ。
etcってラテン語から来たエトセトラって言葉で、”などなど”って意味があるんだよね。
 つまりは、エトセトラレーンに入ったわけね。
 確かに先輩ではあるんだけど、でも、一言いわせてください。
 先輩、エトセトラレーンなんかに入ったら、エート、やっとらレーン、ですよ、ほんとに。

実は、ETCレーンに後続車が一台ありまして、それをバックさせてからタクシーは通常レーンに移りました。その後続車はゲートが開かずその場で立ち往生。ゲートにはETCが故障したとのアナウンスが流れていました。
先輩、やっぱりやっとらレーンす。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。