甲子園

 昨日、四国の松山でぶらぶらしていたときのこと。アーケード街で高校生の甲子園大会に出くわした。といっても、野球ではなく「俳句甲子園」。
 松山は夏目漱石を初め、正岡子規などが居を構えたこともあり、文学とはなじみが深い土地がら。ということで始められた企画らしい。
高校生が主催者の出した”お題”にちなんで俳句を詠み、審査員が優劣を決めていくというもの。この企画、何年か前にNHKが特集をしていたのを見たことがある。


 今回の試合と同様番組では予選を勝ち抜くと、再び”お題”が与えられ、その歌を本戦で披露しなくてはならない。本戦は翌日だから、およそ半日で勝負に勝ち抜く作品を考え出さなくてはならない。
 カメラは、一晩中考えあぐねる高校生の姿を追っていた。どうしてもいい句が出てこない。辞書片手に文字を確かめ、空を見つめて想像を豊にするも、やはり出てこない。ついには悔しさのために、目には涙を貯めながらも、思考は続く。深夜もとうに過ぎ、ようやく夜明けに近くなって出来た句を先生や仲間と検討する。
 番組が終わる頃には、こちらも気持ちが熱くなり、感動さえ覚えていた。
 19文字というひねり出されたものの単純さと、苦悩する姿という、そのアンバランスに妙味があるのだろうか。
 そもそも元祖、”甲子園”もそうかもしれない。球を無心に懸命に追う。いってみれば、ただただ白球を追う姿だけなのに、感動を覚えてしまうのは、その裏に隠された日々の苦しい練習を、多かれ少なかれ知っているからじゃないだろうか。
 振り返れば、日々のなかで努力を怠っている自分がみえた。怠惰のなかであぐらをかく姿が見える。
このままでは、だめだ。もう一度立ち上がり、歩き始めなくては。きっと出来るはずだ。よちよち歩きでもいいじゃないか、もう一度足を一歩前に出してみよう。
 甲子園は、君たちだけのものじゃない。オヤジにとっても、熱い気持ちを沸き立たせてくれる甲子園なのだ。
 ということでオヤジのこんな思いを、学生さん、ぜひ俳句に書きとめてくれないだろうか。
 え、いやだって。ではしかたない。こちらで歌ってしまうしかない。
「甲子園、怠惰なオヤジの歩コウ支援」

それとこんなおもしろい企画がありました。今月のお題は、「朝顔」で、月末近くに募集を締め切り、応募してきたなかから40句が絞られ、ネット上で投票が始まる、ということみたい。さっそく携帯から応募しました。
「萎えた朝顔に止められ元気受く夕べ」
字余りだし五段活用とか間違っているかもしれないけど、40選にでも入った日には、またメモでもさせてもらいます。

と、メモしたけど、いつもご訪問頂いている、”王様”より指摘がありました。
俳句ってのは、5,7,5 だぞ、と。確かにそうでした。夜の松山の居酒屋で、段々5,7,5 が 5,7,7 になっていったような気がします。
ヒッチハイクは、イチ、二、イチ、二、母逝くは、ナ、ク、ナ、ク、です。でも 5,7,7 は、ありません。強いていえば廃句ってとこでしょうか。
七五三のときの千歳飴が悪かったのでしょう。馬鹿さ加減の金字塔として、このままにしておきます。

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