収れん進化

shuuren
 お酒を置いたカウンターの中のおねえさんからよく警察官かヤッサンに間違われてきた。別にどんな職業人に見られようとかまわないので、いい加減な返事で誤魔化してきたが、なぜ警察官でもヤッサンでもないのに院長が彼らに似ているのか不思議でならない。


 進化論者も同じようなことを考えているらしい。彼らの疑問はこうだ。
 なぜサカナでもないのにイルカがサカナに似ているのか
 ヒレがあり流線型の体をしていても、一方は魚類で一方はほ乳類だ。このように同じような環境に適応する際に似た形態を獲得するという現象を”収れん進化”と彼らは呼ぶ。
 ネタ元には南米とマダガスカルという全く異なる土地の毒ガエルが登場する。
 お腹を開いて消化管を調べると、毒の成分をたくさん含んだアリが多くみつかった。つまりともにアリを食べることで毒を手にしていることが分かった。試しに餌にハエだけを与えると毒がなくなってしまう。
 二つの土地の毒ガエルは肌の色も同じようにケバケバしいものになっている。
 ということで”収れん進化”のややこしい一例が明らかになったということらしい。
 理解が足りないせいもあってか、ネタ元はあまりおもしろくないので、話を戻そう。
 なぜサカナでもないのにイルカがサカナに似ているのかは、また別の機会にゆっくり学ぶとして、問題は、なぜ警察官でもヤッサンでもないのに院長が彼らに似ているのか、だ。
 しばらく考え続けた。ヤッサンによくある短髪をなで、警察官によくある四角いあごを触りながら考えた。
よく分からない。ヤッサンがよくしているそり込みがあるような額に手をおき、警察官のような細くきびしい目を閉じて考え続けた。でも理由が思いつかない。
結局なんだかんだいっても、警察官やヤッサンに似ているものは似ているのだろう。
 でもだからなんなのだ。職業に貴賤などはないはずだ。
 といはいえ、なんだかつらい。ひょっとしたら警察官もヤッサンも院長に似ていることを耐えているのかもしれない。
 お互い毒を吐いているもの同士だ。きっとそうに違いない。
 そうだ。この現象を修練進化と呼ぶことにしよう。カウンターのなかのおねえさんにはウケてもらえそうもないけど。

ネタ元
Convergent Evolution in Poison Frogs

“収れん進化” への2件の返信

  1. 化粧品を思い浮かべますケドそんな風にも使うんですね!夏は毛穴が開くので収れん化粧品を今から買いに行こうと思います!!!

  2. 無意識のウチにヤクザやさんや警察官風のカオに惹かれるみたいです。そぉ言えばお父さんもそんなカオの様な…。かくれファザコンなんかなぁ。

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