バックシャン

 今日、ひょんな成り行きで、知人の60代の女性から写真を見せていただくことになった。なんでもご自身が20代のころのものという。
 海辺でうら若き女性が4名、立ち姿でポーズを取っている。そのなかの一人なんだけど、けっこう今でも通用しそうな水着を着けていて、スタイルもよく意外にイケテいるかもしんないと感心したしだいでして。


 この方、現在は少し、あくまでもすこーし、肥満気味なんだけど、「若いころはきれいだったんよ」と自慢される。人からは「顔がなければモデルみたいといわれてた」らしい。
「モデルみたい」には社交辞令としていかようにも頷けるけど、「顔がなかったら」には少し返事に困ったわけで。
 けっして現在は美人じゃないというわけでもないということでもないような気がしないでもないような、あるようなお顔立ちのご婦人でして。でも写真の女の子はかなり魅力的な女性だから、「モデルさんみたいにかわいいじゃないですか」という返答でその場を切り抜ける。
 でもね、すぐに「バックシャンとかいわれてたんよ」とまたまた試練の言葉を投げかけられたわけで。
 バックシャン。いまではほとんど死語だと思うけど、後ろから見ると、きれいな女性とかの意味だよねぇ。で、前からみるとそうでもないという意味も含まれていると解釈してたから、これも返事に困ってしまって。
 でも別にボクの返答になにか期待されていたわけでもなさそうで、そういったあと楽しそうに写真をしまわれたのね。
 ようするにボクが現在のご婦人と過去のご婦人を勝手に比較していただけの話。
 年を取れば見かけは若い頃より、いろいろ変わってくるのは当たり前のこと。ときには若いときの”魅力”というのも影を薄めるのも事実。そんな昔のことより、今をいかにアグレッシブに生きているかの方がより大事なことだよね。
 そのご婦人、ホントいろんな市の社会活動に参加されている方でして。ご自身ではきっと今の有り様に満足されているに違いないと思ったわけでして。
 ひとりよがりのボクだけが、バッカジャンというお話でした。

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