米国コロラド州にデュランゴ(Durango)という街がある。デュランゴ郵便局やデュランゴ警察署があるところだ。
詳しくは調べてはないが、デュランゴ第三中学校もあるかもしれない。
そこに住む17才のTaylorと18才のLindseyが写っているのが上の写真で、地元の新聞に載ったものだ。手にしている丸いものは、彼女たちが作った手作りクッキー。そしてその上にある真ん中の赤いハートは紙で作られたもので、上には、”Have a great night”、そして下に彼女たちの名前の頭文字であるTとLを用いて、”Love, The T and L Club”と書いてある。
なんで記事になったかというと、10軒近くの近所の家にこのクッキーを配ったからだ。
その夜は、ダンスとお酒の楽しいクルージングが予定してあった。でも、それをキャンセルして彼女たちは行動に出たのだ。
夜も10時を回っている。それでもあいさつしながら配れば問題なかったのだろうけど、どういうわけか彼女たちはピンポンダッシュして、配っていった。
で、配られたなかの一人の中年の女性が、なにがなんだか分からなくてパニックに陥った。そりゃそうだわな。玄関に出てみてもだれもいない。ふと足下を見ると、クッキーが置いてある。それも訳も分からないメッセージつきだ。
本人は心臓発作が起こったものと勘違いし、警察には連絡する、救急病院へはかけこむ、ってな騒動になって、結局彼女たち裁判にかけられた。
で、罰金900ドル、というのがこのお話の顛末だ。
さて、遠い国の出来事だということで、このお話を無視していいのだろうか。デュランゴ小学校のホームルームでこの話が議題として取り上げられているかもしれないというのに、議論しなくてもいいのだろうか。
ということで、少し考えてみたい。
そもそも彼女たちはどういう気持ちで、クッキーを配ろうとしたのだろう。詳しくは書かれてないから分からないけど、きっと親しみを込めての行動だったのだろう。裁判官も悪意はなかったといっている。
じゃあ、なぜ夜なのか。ピンポンダッシュは、普通昼だ。
この女性の味わった恐怖をどれだけの人が分かるだろうか。朝方の4時に、ピンポンを受けたことを思い出す。
数年前のことだ。もちろんこちらは寝ていた。だけど玄関のチャイムがその時刻になったのだ。
寝ぼけた頭でインターホンをとっても、相手はなにも答えない。それどころかピンポンを繰り返すのだ。
やがて玄関を叩き出した。ドンドンと音を立てて叩き出した。
救急病院に駆け込んだ中年の女性と同様、こちらも110番に電話した。税金をちゃんと払っていることが分かったのだろう、すぐに出てくれた。で、事情を話すと場所を聞いてくる。その間もドアは叩かれている。
で、その状況を伝えていると、玄関の方から聞き覚えのある声がしてきた。
うちのクリニックに通院している老人男性の声だ。その方はとてもとても耳が遠いのだ。で、急変しやすい病気をもっている。
ということで、ドアを開けるとやはりその老人だった。もちろんそのあとは、心も体もちゃんと診療バージョンに移っていったんだけど。
でも、だれか分からないものから、どんな形であれ、ふいに濃厚にアクセスを受けると誰でもパニックに陥るのだ。とくに夜にはね。
だから、デュランゴの少女たちにいいたい。
善意であれば、ちゃんと筋を通してやれ。
そ れができないなら、デュランゴと…じゃなかった、いらんことはするな。
デュランゴ小学校のホームルームでの結論もこんなもんだったかどうか、ちょっと気になる。
ネタ元 Colorado Teens Fined for Giving Cookies to Neighbor
Cookie klatch lands girls in court
I want to have a great night.
安心とおいしい水は金出して買う」っていう時代かもね
深夜のピンポンダッシュはしてないけど ピンポンダッシュしてました、してました。
スリルといえば むかし酒癖の悪い友達がいて 時間を関係なく電話してきてました… ナンバーディスプレイつきの電話が欲しかったデス。
身内に病人やらがいる時って 九時過ぎの電話は ドキっとして心臓がバクバクしますよねー。
心臓がバクバク…って 交感神経ですかね?
交感神経とカテコラミン(アドレナリン)でしょう。