ストーリーテラー


ストーリーテラーといえば、「クリスマスキャロル」の原作者ディケンズだ。「クリスマスキャロル」を読んだことはないけど、スティーヴン・キングが小説「グリーンマイル」の序文でそう語っているからそうなのだ。


そんなストーリーテラーが紡ぐ文章なら多少長かろうと一気に読み終えてしまう。だが一冊がそれほどおもしろくなく、かといって途中放棄するにはもったいなく、かといってやはりそれほど興味が惹かれず、ついつい別の本に手を出してしまう、そんなことも始終だ。でもそうはいっても手元にある本はせいぜいが2冊。
ところが今、一度に4冊の本を毎日読むページ数を決めて読み進めている。つい最近、だれかの文章で-本当につい最近なのにどこで目に触れたかのか恥ずかしいことに忘れてしまった-それを実践しているというものがあったからだ。一体どんな境地が開けるのか知りたくて、やってみようと真似てはみたものの、やはりなかなか進まない。
だがよく考えるとそもそも息子らにかまけて読書に当てる時間の余裕がないのだった。
今日もそうだ。明日が休日当番医のため子供らの相手をすることができず、罪滅ぼしにと子供らと街に出かけた。街はもうすっかりクリスマスモード。どこかにディケンズの痕跡がないか探してみたが、クリスマスキャロルを読んだことがないので、どこを探していいか分からない。
仕方なく記念写真でも撮ってみたのが上のものだ。
帰宅して子供らに感想を訊ねると、二人して楽しかったと答えてくれる。それもクリスマスのイルミが一番だったと、たどたどしく、それでもしっかりと伝えてくれる。ああ、そうか、君らとつき合った数時間を読書に当てることもできるのにと考えたパパはスクルージだったんだね。
読書はパパとしてチチとして進まないけど、いいよ。最初からそんな時間と君らとの思い出を比べるなんてこと、できなかったんだからね。

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