World Cup workers

英会話の勉強でときどき聴いているBBC learning English にあった教材だ。
ざっくりこんなことが述べてある。

今回のワールドカップはアラブで初めて開催されるものだ。
「カタールの人口は少なく、総労働力の 95% は、極度の暑さの中で働き、質の悪い宿泊施設に収容され、しばしば低賃金で働く外国人」で、「サッカー スタジアム、道路、輸送システム、ホテルを建設した」のはネパール、インド、その他の南アジア諸国からの出稼ぎ労働者たちだ。
彼らの「多くがサッカー スタジアムの建設中、事故、過労や熱中症で死亡し」また不当で不安定な契約関係に置かれている。たとえば「2年間の雇用契約が与えられたにもかかわらず、一部の労働者は 3 か月しか滞在できず」「十分な賃金を稼ぐことができなかったので、多くの人が借金を抱えて家に帰った」云々。

たしかにひどい話だ。でも考えてみれば、カタールの方たちも19世紀までは部族間の争いに悩まされた砂漠の民として、生活は決して豊かではなかったはずだ。

もし天然資源が中東ではなく”ネパール、インド、その他の南アジア諸国”に埋蔵されていたら、それらの国は今のカタールと同様、巨大な富を築き、そこでたとえば World Cup が開催されたら、異なる国の、場合によってはカタールの人たち、 World Cup workers が生まれていた可能性だってある。

そんな富の不均衡がもたらす悲劇などつゆ考えず、あるいは地球温暖化など気にせず冷房を利かし、さらには OneLove の腕章など取り払い、涼しいスタジアムでボールを蹴り合い、それを無邪気に応援する。
結局ヒトは、そうしたうさばらしをしながら種の綱渡り的維持をしていくしかないのだろうか。

思わず出るため息に加え、ビールで吐き出す二酸化炭素の量を増しながら、対ドイツ戦勝利だけ考えて楽しく今宵過ごそうかと考えている。

“Qatar’s World Cup workers”