よく知らなかったのだが、世界のリンの貯蔵は約50年で尽きるらしい。
リンは農業で使う肥料の重要な成分だ。だからそれがなくなるということは将来の土壌の質や生産性に影響を与えることになる。オシッコにリンがたくさん含まれていることに目をつけたオーストラリアの研究者が一人あたり年に500mlの尿を再利用すれば不足分をまかなうことができると提案している。
ネタ元は、”Recycling urine answer to P supply”という記事だ。P は鉱物のリンを意味する元素記号だ。つまり「尿のリサイクルがリン供給への回答」という意味にでもなるのだろう。(Recycling はリサイクル、urine は尿、answer は答え、P は鉱物のリン、supply は供給)
リンの補給はそれでまかなえるにしても、そのなかで研究者は一抹の不安を吐露している。下水のリサイクルで作られた飲み水は飲むに耐えられないと考える人がいるように尿から取られたリンに抵抗を感じる人がいるのではないか、と危惧しているのだ。
実際にスウェーデンでは尿を分けるシステムが取り入れられているが、それはその国では住民の尿を肥料として使ってきた歴史があるかだろうと研究者は考えている、というような論旨が展開されている。
でもそんなことは杞憂に過ぎない。下水のリサイクルで作られた飲み水は飲むに耐えられないと考える口だが、下水のリサイクルで作られたものであれなんであれ、ビールがあったら飲んでしまう口でもある。
要は黙っていれば済むことだ。もし気にする人がいたらこう答えればいいのだ。