どうしようもない学生というのはどこにでもいる。数年前、看護学校で遺伝の話をしたときのことだ。誤魔化しながらなんとか話し終えてなにか質問がないかと学生たちに恐る恐る訊くと、一人の女子生徒が手を挙げた。
子供を産むならぜひ双子が欲しいという。どうしたら双子ができるのかと訊いてきたのだ。
どうしようもない学生というのは彼女のことだ。一体だれに訊いてるのだ。専門の分野でもあやふやなことがあるというのに、ましてや専門外のことだ。正しい答えなど望むべくもない人物になにをいわせたいのだ。
彼女の精神構造を疑ったが、そこは講師としての威厳を保たねばならない。
受精卵がどう分割していくのかをヘタな絵を書きながら、なぜ双子になるのかをしどろもどろになって説明する。だがそれは双子ができる過程であって、どうしたら受精卵を自然にその過程に導くことができるのかの説明ではない。結局よく知らないことを告白してお話は終わったのだが、内心そんな方法などあるわけないと思っていた。
ところがあったのだ。ニューヨークの研究者が調べたところ、動物性製品、とりわけ乳製品を摂っている女性は、動物性製品を摂らない菜食主義の女性より5倍も双子をもつ確率が高かったという。
この差には卵巣を敏感にさせ排卵を誘発させるIGFという物質が関与していると推測されている。というのは乳製品を摂っていない女性は摂っている女性よりもそのIGFが13%近く低かったからだ。
このIGFは成長ホルモンに反応して作られる。畜産業では採乳や成長促進のために牛に成長ホルモンが与えられているという。つまり乳製品を摂ることで成長ホルモンが体内に入り、その結果このIGFが多く作られ双子を多く生むことにつながっている、ってなことがネタ元で述べられている。
そうだったのか。実は学生の質問に対して瞬時にある答えを用意できていたのだが、あまりに検討が不十分で披露を控えていたのだ。今こうした食生活との関連を説く記事を読むとまんざら的はずれな見解でもなかったような気がする。
スタッフ「というと」
院長 「食生活に関連があることだ」
スタッフ「で」
院長 「ソウセイジをたくさん食べるようにしたらどうだろうか」
スタッフ「どうしようもない医者というのもいるんですね」
ネタ元
chance of having twins can be modified by diet
院長、お元気だったのですね!
でも長い春休みですね。
ところで綺麗なソウセイジはもう食べられません。
まあ院長クラスだとコンビニ弁当とは無縁でしょうが・・
ご配慮ありがとうございます。
コンビニ弁当愛用しています。クラス委員長をしたことがありますが、その程度では本当の院長クラスにはなれないようです。
菜食主義の女性のほうが
乳製品を摂る女性より比べ物にならないほど少ないと思うので、
その調査って
乳製品を摂ると双子が出来やすくなる、というより、
菜食主義だと双子が出来にくい、っていう方に生かす感じでしょうか。
たとえばついつい避妊を忘れがちな彼を持っている女性は
被害を最小限に抑える為に菜食主義になるとか。
なるほど。
ちなみにすぐにことに及ぼうとする男性は催促主義というわけですね。