ツマヨウジ

 北九州市の門司港で行われた”門司港祭り”で、今日ライブ演奏に参加した。野外ステージで、いつものように、たっぷりと間違えたけど、これもいつものように素知らぬ顔でやり過ごす。
 とまぁ、楽しく過ごさせてもらったんだけど、そのあとのことが今日のメモ。


 あるレストランに入り席に着く。客はまばらで、斜め前のテーブルからの声が届く。60代の夫婦らしき男女が横にならびその向こう側に30代後半の女性がテーブルに就いていて、年配夫婦が話している。
 話の途中なのでよく分からないけど、内容は、”門司と門司港は一緒かどうか”ということだった。
 ダンナが「一緒じゃない」というと、オクサンが「違う。一緒」という。ほんの数秒の会話でそれからは沈黙が流れる。
 食事も終わっていたようで、オクサン、前に座っていた女性になにやら話かける。その女性、雰囲気ではお嫁さんみたい。で、オクサンの言葉に受け答えしながら、ダンナの顔をチラと窺っている。ダンナはダンナで、さきほどの会話が気に入らなかったのか、歯に爪楊枝を当てながら明後日の方を向いていた。
 そのうちお嫁さん、バツが悪くなったのか、トイレにと席を外す。
 で、残されたお二人が取られた行動。まずお互い顔を合わせないように、違う方向を見続ける。ダンナは相変わらず爪楊枝でシーハーシーハーしてる。オクサンはというと、やおら爪楊枝を耳にいれ、耳掃除を開始。
 この状態がお嫁さんが帰ってくるまで続いたわけで。
 爪楊枝があるのに、妻、用事なしって風景にいたく感動し、メモしてみました。

実はお嫁さんが帰ってくる直前、オクサンの方からダンナに声をかけられまして。少し戦いの矛を収められたのかもしれません。
 自分の耳を差し出しながらのその言葉は、「あんた、耳クソ残ってない」でした。
 あらたな戦いののろしだったのかもしれませんけど。

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