くれぐれも患者さんの診療上のプライバシーを漏らさないよう徹しているつもりでして。でも、昨日の話は診療中の四方山話で出てきたものだから、いいかと。
昨年暮れのこと。その中年男性の患者さん、膝を痛めたそうな。ボクの専門外の病気であり、他の病院で3,4日治療されたらしい。でも年が明けても治らないということで、知り合いの霊媒師さんに治療をお願いしたという。
霊媒師さんとまではいかないけれど、治療を現代医学以外のものに頼られる患者さんというのは、結構多く見受けられる。その道一本だけでつき進もうとしている方や、診療所なり病院なりに通いながら、他の治療を試みられる方などさまざま。
だからその方がそうした行動を取られたこと自体、別にあまり驚かないんだけど。
でもね、なんと電話でお払いを受けたといわれるじゃない。
患者さんが霊媒師さんに電話で事情を話すと、膝に霊がついているとの診断が下ったとのこと。しばらくすると、なにやら向こうで「ハッ」と、気合いを入れるような声がし始めたという。その方がいうには、塩でも撒いていたんじゃないかとのことだけど、とにかくお払いが始まったらしい。
で、それが終わると、痛みが取れたかと聞いてくる。まったく変わらないと返事すると、おかしいということで、また電話口の向こうでなにやら気合いを入れる声が始まる。こんなことが3,4回繰り返されたけど、結局よくならなかったということだった。
でも、翌朝起きてみると、すっかり膝の痛みが消えていたんだそうな。
まぁ、なんにしろ患者さんの病気が治ることはめでたいことでして。
院長 「なんで電話で除霊できるんですか」
霊媒師「電話線というのは、相手同士がつながっているからです」
院長 「じゃあ、携帯電話では除霊はしてもらえるのでしょうか」
霊媒師「きびしいですね。電波が切れたりすることがあるでしょ」
院長 「はい」
霊媒師「だから、うまくいったりいかなかったり、です」
院長 「当たりハジョレイがあるわけですね」
ちなみに霊媒師さんはちゃんとほかの職についておられ、除霊”料”はなかったそうです。それと、この話をスタッフにしたら、ウチに通院されている病気もついでに治してもらえばいいのにね、ということをいわれてました。