Can I

これまでの人生で苦汁の味は堪能しつくしたはずだったが、ここ数日、また味わい続けている。WordPress の復旧がうまくいかないのだ。
たしかにアップアップしている人生だが、いつでもバックアップは忘れないよう気を付けていたつもりだ。だが年を取るにつれ、馬ッ鹿アップしたのだろう、バックアップを忘れてしまい、またアップアップしている。
そこでプロにお願いすることにした。

埼玉にある信頼のおける業者で、今日初めて電話でやりとりをした。そして、最後に電話口の若い男性の相手に名前を訊ねると、「カナイ」という。

「カナイ」の名前を聞いてふと思い出したことがある。
数年前、あるプログラミングの雑誌で、そのころ確か高校生だったはずの天才プログラマーの金井という青年が紹介されていた。
そこで、自分のことを「Can I」と呼んでほしい、みたいなことが書いてあったのだ。

その方が同一人物なのか、とっさに「Can I の?」と訊ねようかとも思ったが、さすがに初めての連絡だったので「ではよろしく」と大人対応で電話を切った。

でも、もしあのときそう訊ねて、相手が「はい」と答えていたら、こちらはきっとこう返していただろう。
「こちらは 苦汁の Could you です」

(1月25日 投稿)