安普請のクリニックゆえときどき壁の隙間からアリが入ってくるが、診療に迷惑がかからない程度に自由にさせている。
そういえば幼い頃、庭でよくアリの行列をながめていた。
大きくなったらアリさんのように一生懸命働くのだ。そう心に決めていたが、肝心の患者が来ない。今ではアリさんから、いつか院長のようにヒマな時間を過ごすぞと思われているのかもしれない。
それはさておきこのアリたち、違う群のアリに出会うと、ケンカを始める。大きさの違うアリ同士だったら最初から小さい方が退散する。
同じぐらいの大きさのアリだったら頭を寄せ合って、まるですもうを取るみたいにもみ合う。
いかにしてアリは味方か敵かを見分けているのだろう。
日本の研究者がそれを調べた。キーワードは hydrocarbonete つまり炭化水素だ。
アリの身体の表面についている物質で、常温ではなかなか蒸発しない。研究者はいろんなアリの巣でその物質を分離した。
同じ巣のものと違う巣のものとをガラス玉につけて”代用アリ”を作る。それをアリにし向けるとどういう行動になるのかを記録した。
すると違う巣のものに対しては、噛みつく、飛びかかる、蟻酸を出すなど攻撃的な行動を示したのだ。
触覚にあるごくごく小さな穴がたくさん開いた装置で、それぞれの炭化水素を認識をし合っているらしい。
つまり同じ炭化水素だったら、仲間というわけだ。
考えてみると人も同じような物質を身につけてかぎ分けているのかもしれない。
幼いときは同じものでも、年取ると違うものになっていくのだろう。ときには相手をやっつける”啖呵”水素になることもあるようだ。すもうにも劣らないすざましさだ。
でもそれでは醜く過ぎるぞ。おやじも天国で泣いてるぞ。
そんなデカイ身体なのに、アリと同じじゃおかしいぞ。
兄弟たちよ、分カっタカ。
ネタ元
Ants Rely on Chemicals to ID Enemies
確かに醜い争いですね。
収拾はつかないでしょうね。
院長、今日の落語も最高傑作ですね!
いつも前菜(?)の文章を読みながら、どういう展開になるか楽しんでいます。
それでは僕のブログには「短歌」で「啖呵」をきってもらうと嬉しいです。
それではまた~