プレジデント

 診療の手伝いに行っている病院で、「PRESIDENT」という雑誌が診察室の棚の隅に置いてあったので、眺めてみた。”PRESIDENT”とは”大統領”とか”会長”とかの意味。雑誌は知ってたけど、まじまじと目を通すのは初めてのこと。
 経済での成功をめざす人たちの雑誌とでもいうのだろう、経済情報だけでなく、成功を収めるための心構えみたいな記事が載っている。
 その号に、”自分のことを「仕事ができる」と信じている人たちの勘違い”という特集があった。
たとえば、「知り合いの上司がいる」ということについて、それは仕事ができるというのじゃなく、単に上司にこびているだけじゃないの?ってな風に逆説的に自分の行動を評価してごらん、という内容なのね。30ぐらい項目を上げ、半ページを使ってそれぞれの行動の検討がされている。


 ここのクリニックみたいに一人で、社長兼門番をやっているような個人経営者としては、あまり興味のわかないことなんだけど、ひとつ気になる記事があったので、メモしておこうかと。
「コンピタンス、メガコンペティションなどの用語の意味を即座にいえる」のは、いかがなものか
ホントにその意味を理解して使ってないと思考停止になるかもしれないと注意してあった。
 経済用語の流行語みたいだけど、田舎町ゆえのことか、周りにこんな言葉使っている人を見たことはなく、おかけでその意味を知らなくても平凡な日々を繰り返すことができている。
 で、思い出したこと。随分前、ちょっとした医療経営セミナーみたいなのがあり、誘われたので参加したことがある。もちろん内容に関心があったのではなく、そのあとのロハの飲み食いを希望に抱いてのことだった。
20人にも満たない知り合いばかりの席で、プロの経営コンサルタントなる人が講演したんだけど、その話のなかに知らない単語が出てくる。忘れてしまったけど、確か接頭語が”コン-”で始まるやつだった。それもかなりの回数、出現する。
 で、講演が終わって、周りの人にその意味を訊くと、なんと誰も知らなかったのね。
 そんな言葉、わざわざ使わなくてもいいのになぁというのが正直な感想だったわけで。
講演者「そんな言葉も知らないなんて、院長。プレジデントになりたくないんですか」
院長  「コンビタンス目指してがんばります」
講演者「……」
院長  「失礼しました。メガコンペティションを今日検討します」
講演者「……思考停止して、言葉使ってるでしょ」
院長  「コンプリートに」

コンピタンスとかメガコンペティションの意味、ネットで調べようとしましたが、経済解説が難しかったので途中で止めました。プレジデントになるのって大変そうね。

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