速度違反を検挙するのに、ネズミ捕りというのがある。ドライバーには見えない位置から速度を測定し、違反してると急に警官が現れて停車を命じるやつだ。なぜ、あの取り締まりをネズミ捕りというのだろう。
道ばたに停車させられ気まずそうに車から出てくるドライバーをときどき見かけるが、誰一人としてネズミじゃなかった。
昔の人は隠れてネズミを摂っていたのだろうか。でも相手はチョコマカ動くやつだ。それも少し無理があるだろう。
一つ考えられるのは、隠したワナで捕まえるということだ。
だから堂々と人目に付くところに設置してある自動速度測定器なるものにはネズミ捕りの呼称を用いないような気がする。最近は相手さんもきちんと、「ここは自動測定器がある道路だ」と宣言しているようだし。
てなことを考えていたせいか、こんな記事が目に留まった。
オーストラリアのビクトリア州での話だ。ネズミ捕りに制限が加えられようとしている。あのネバネバしたやつで捕まえるのを禁止しようというのだ。もしそれを使うと罰金1000ドル以上を課そうというから州政府も本気のようだ。
あのネバネバで捕まったら、脱水を起こしたり餓死したり捕食者にやられたりしてかわいそうだろ、というのがその理由だ。
でも年に25万頭もの小動物をこれで駆除してるプロの駆除屋からすると、もし制定されればたまったもんじゃない。
オーストラリア政府の関係省も、このネズミ捕りはそこそこ世の中の役に立っているし、そりゃちょっとやりすぎじゃないの、と反対しているとのことだ。
個人的には州政府の側に立ちたい。
ふと自動測定器があることに気づく。だが時すでに遅しで、スピードメーターは制限速度を超えている。果たして器械は作動したのか、写真は撮られているのか、結局違反の通知は来るのか。それからの日々というもの、不安でならない。脱水や餓死こそしないが、心理的にはネバネバに捕まったネズミと一緒だ。
やるなら一思いにやってくれというのが本音だ。あんな自動測定器なんぞ廃止して欲しい。
少し脱線したかもしれない。で、本物のネズミの方はどう考えているかって?
そうですね、まぁなんというか、世界のチュウ死んで愛を叫ぶというお国ならではの騒動かな、というところで納得しましたけど。
ネタ元
Mice escape cruel ending