今日はおじさんがよい子のためにキスの話をしてあげよう。そう、唇と唇を合わせるキスのことだよ。
これこれ、静かにしなさい。恥ずかしいことじゃない。君たちのパパやママもみんなしてきたんだ。
英語を習っている子は知っているだろうけど、KISS って書くんだ。ケイ、アイ、SS、つまり ケイ、アイ、ッス 日本語に訳すと 敬愛ッス、ってことなんだ。え、無理がある? それじゃあ、”スネにキッス持つおじさん”といういい方とどっちが無理かな?
意味は分からないけど、なんとなくおじさんのすごさが分かったって。そうそう、それでいい。
それでは、えーとどこまで話したっけ? そうそう、敬愛ッス、だったね。敬愛とは相手を大事にすること。パパもママも相手を大事にしたいからキスしてきたんだ。
なになに、パパがキスしようとするとママが逃げるって?そんな話はあとでしようね。
ところでママチンパンジーなんかはエサを口でクチュクチュってして子供たちに口移しであげるんだ。でもね、エサがないときは子供たちがかわいそうだろ。それで口を子供たちの口にもっていって安心させることがある。もちろんエサはなくて悲しいけど、とてもやさしい気持ちが表れているよね。人も昔昔、そんな具合にキスを始めたんじゃないだろうかって、学者さんたちは考えているんだ。
でもね、首を抱き合って相手を好きになるのは動物にはいないんだ。それどころか世界のなかではキスをしない人もいる。フィンランドには風呂は一緒に入れてもキスは汚いと考える人がいるし、中国でも口と口を合わせるのは人を食べるような気分にさせるのでいやがられたという記録もあるんだ。
毒入りギョーザを食べるような感じなんだろうね。
だいたい世界の10%ほどの人はキスの習慣がなく、生きていく上で必ずキスが必要だというわけではないんだね。
でもいろんな研究でキスをすると人ならではのいろんなホルモンが出ていることが分かっているんだ。
え、ホルモン焼きと一緒かって?そうだね、それで身も心も焼き尽くすんだろうね。
だいたい昨日予習してきたことはこんなことだけど、なにか質問はあるかな?
なになに、パパがキスしようとするとママが逃げるのはなぜかって?しつこいガキだね、君は。
よし、話してあげよう。でもこれはスネにキッスもつおじさんの説だから、ほかの人に話しちゃだめだよ。
ママはある時期がくると、君たちのような子供のこととか指輪のこととか服のこととか、とにかく関心がパパ以外のものに移ってパパのことはだんだん忘れていくんだ。そしていつの間にかいくらパパがキスしたくてもママはパパを避けるようになる。
このパパのキスのことを徒労にキスというんだ。分かったかな? あ、分からない。
まぁ、おじさんのことじゃないってことだけ分かってくれれば、それでいいか。
ぎゃははは、ダジャレは同じでも、文体によってずいぶん雰囲気が違うもんでですね~。
毎日メモとの戦いです。
ときどき休んでいますけど、そのときは自分にこう命じています。
「ぶんたーい、とまれ」