数ヶ月前インターネットオークションで手に入れたノート型パソコンが壊れてしまった。記憶媒体のハードディスクがいかれてしまったようでして。
メーカーに修理に出して見積もってもらったら、オークションで払った額の倍近くもかかることが判明。これでは安くパソコン環境を手に入れた意味がないではないかと、いろんな中古ショップに問い合わせたところ、現在の容量よりは少なくなるものの、メーカーに比べれば相当低額でやりくりできそうなので、さっそく某市のショップへ出かける。
そこの店に一人でいた三十前後のお兄さんが今日のメモ。
見た目も人当たりのよさそうな人だったんだけど、それだけでなく話し方が、なんというか、歌でいうなら”いやし系”とか”なごみ系”だったのね。どこがっていわれてもなかなか表現するのがむずかしいけど、たとえばこんな風。
ハードディスクなんてのは付けるだけじゃ動かず、OSというハードを動かすシステムを入れなけりゃなんないんだけど、そのためにはまたいろんな機械や作業が必要なわけ。
で、その機械や作業にもいろいろ値段が付いていて、いろんな組み合わせを一緒に考えたあげく、結局オークションでしとめた額よりも高くなったりすると、そのお兄さん、「なんだかねぇ」と苦笑いしながら一緒になって困ってくれるのね。
なんとなく値段のことは気にならなくなりだして、それでもまぁ安く仕上げる方法で修理をお願いすると、さっそく彼、パソコンをいじり始められた。手際がいいのに感心しながらボクがこう訊ねたのね。
「パソコンは得意なんですか」
彼曰く
「いや、文系ですから」
なんでも英文科ということらしい。「得意だったら、ほかの仕事をやっているかもしれないなぁ」とも、静かな声で付け足される。
たわいない会話なんだけど、なんとなく、「ふーん、そうなんだ」と変に納得させられてしまって。
彼の会話の魅力はなんだったんだろう。確かにゆっくりとした落ち着いたしゃべりだったんだけど、一番は1/f(エフ分のイチ)のゆらぎの声が関係しているじゃなかったのだろうか。
この”1/f ゆらぎ”って説明するのはむずかしいけど、なんでも落ち着くような音に関係しているものらしい。(ここらを参照)
そういえば、あのお兄さんの一生懸命やっている姿にも、エイブンのイヂが漂ってたような気がするなぁ。