snopeサイトに火星探査ローバーミッションで火星に送られた探査機ローバー、オポチュニティーが最後に送信したとされる内容の真偽が述べてあった。
その”言葉”は「私のバッテリーが少なくなり、目の前が暗くなっている」というものだ。
結論は、間違い。
2018年6月火星で起こった大きな嵐のときに、科学者たちがオポチュニティーに危機を回避させるためバッテリーを温存させるようにしたが、太陽を覆い隠すような嵐だったため、その回避策もむなしく、彼女は活動を停止した。そのときの科学者の言葉がネットをめぐり始め、いつの間にかこの”言葉”になったのだという。
これはいわば悪意のない伝言ゲームだ。
「院長は見た目がよく、かしこそうだ」が「院長は玉木宏似で、イグノーベル賞候補らしい」に代わってもだれも批難しないだろう。
要は、それだけオポチュニティーの行方を心配していた人がたくさんいたということだろう。
だから、彼女の機能停止が明らかになっとき、あっというまに情報が拡散したのだ。
それよりも気になることがある。すでにそれに触れているのだが、お分かりだろうか。
答えは、オポチュニティーが、女性として英語表現されている点だ。ここまで2回”彼女”とそのまま訳した言葉を使っている。
さらにどこかからの引用をまとめると、「2003年6月11日に1号機スピリットが、2003年7月8日に2号機オポチュニティが打ち上げられた。7ヵ月の飛行ののち、2004年1月4日にスピリットが、1月25日にオポチュニティが着陸したが、スピリットは2010年に通信が途絶え、任務終了」ということなのだが、ネットを見ると、このスプリットも女性として扱われている。
つまり関心を寄せる人たちは姉妹のうち、すでにスプリットがなくなっていることを知っている。だったら誤解のないように伝わるよう、こう言葉をつむげばよかったのに、と素朴に思う。
「老婆、死す」