夜になるとまわりがよく見えなくなることがある。職業柄自己診断してみたが、どうも急性のアルコール中毒ではないかとにらんでいる。だが同じことを患者が訴えればかなりの確率で夜盲症だ。
トリ目ともいわれ、ビタミンAの不足によって引き起こされるこの病気が小腸の手術と関係があるかもしれないという記事があった。
記事では興味ある3人の患者の例が報告されている。ビタミンA不足による目の症状はドライアイや角膜の軟化、網膜の障害などを含んだものだ。
一人目は20才のときに小腸の手術を受けていた69才の男性で、4ヶ月間の夜盲症があった。
二人目は37才のときに同じように小腸の手術を受けていた80才の男性で、これも4ヶ月間、あたりがほの暗くなると視力が落ちることを訴えていた。
三人目は年齢は書かれていないが、18才から20才のうち胆嚢摘出術のあとのトラブルでなんどか開腹手術を受けた女性で、数ヶ月間、夜になるとまわりが見ずらいと訴えていた。
三人とも検査でビタミンA 不足によるものと確定され、二人の男性はビタミンAの注射で視力が数週で回復している。
残りの女性だが、治療を受けていない。
実は今日のメモでこの記事を取り上げたのは、残りの女性の行動に関心があったからだ。というのは、どういうわけか目の治療を拒否しているのだ。
医療者は病名は夜盲症であり、ビタミンAの注射で回復する可能性が高いことを間違いなく告げているはずだ。注射をするだけでよくなるというのに、なぜ彼女は治療をこばんだのだろう。
見方を変えると、なぜ医療者は説き伏せる努力を放棄したのかという疑問にもなる。
想像するに彼女はとても頑固な性格であったのではないだろうか。それどころか、医療者に食ってかかるようなタチだったかもしれない。
医療者は誰しも患者に向き合うときは、相手はまずはこちらのいうことを聞いてくれるものとして振舞うものだ。どんな性格の患者であってもとりあえずは静かに話を聞いてくれるものと考えている。
だが彼女は違ったのだろう。いくら夜盲症と説明しても聞く耳を持たなかったのだ。それどころかなんども手術を受けた自分の不運をなげき、その不満を医療者にぶつけていたかもしれない。
そのうち医療者も思いを変え始めた。彼女のことをこう確信し始めたのだ。
おっトリ目じゃない。
これがことの真相だと思う…どうでもいいけど。
ネタ元
Intestinal surgery can affect eyes years later
関係ないんですけど、ダジャレ好きな人って、どんな状況でも、ダジャレが頭に浮かんじゃうらしいですね。JRの車掌さんの葬儀で、ご愁傷様・・と言うべきところを、ご車掌様です・・と言ってしまった人がいるそうです。
>JRの車掌さんの葬儀で、ご愁傷様・・と言うべきところを、ご車掌様です・・と言ってしまった人がいるそうです。
最後に切符、もとい、気っ風を見せたわけですね。