カーボ

 東京国際女子マラソンでQちゃんが失速したのは、朝の食事の取り方ががまずかったらしい。ちょっとしたレースの前には、ボクなんかでも食事に気をつけるぐらいだから、プロのランナーともなれば相当な食事管理をやってるんだろうね。


 この食事管理の目的の一つにカーボローディングというのがある。カーボは炭水化物(糖質)、ロードは負荷とかの意味で、ようするにエネルギーのもとになる炭水化物をいっぱい身体のなかに詰め込んじゃえって発想なのね。
 ネットで調べると、今はいろいろ研究が進み、ちょっとやり方も昔と違ってるみたいだけど、今までのボクのやり方はこう。
 だいたいレース一週前ぐらいから始めるのね。最初の三日間は炭水化物を全く取らない。すると肝臓に貯まっている炭水化物が全部吐き出されるそうな。で炭水化物が欲しいよと肝臓が泣き始めたころに、「よしよし、たらふくお食べ」といって四日目から今度は炭水化物を中心とした食事をするのね。
 アホな肝臓は、「ありがたや、ありがたや」と炭水化物を蓄え始め、ついには普段より多くをため込むようになるそうな。
 最初の三日間は卵とか魚、肉とかがメインで、それなりにハラは太るんだけど、やっぱり炭水化物を取らないと空腹感が消えないので、結構きびしい。でもこれやってるとメンタルなものも加わってか、レース当日は長い距離に耐えられるような気がする。
新米競技者「やっぱり医学知識がある院長の説明だと説得力がありますね」
院長   「君もやったら、いい成績残せるよ、きっと」
新米競技者「はい。ところで、カーボローディング中は、ビールはもちろん控えるんでしょ?」
院長   「ときと場合によりけりだが、飲むこともあるね。それも大量に」
新米競技者「それはいいんですか」
院長   「あ、いいんだ。ビールガーボガボローディングといって、肝臓をきたえるトレーニングだからね」
新米競技者「……最初の発言取り消します」

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