夜のこと。車で坂道を上っていると前の前に大型トラックが走っていて少しスピードダウンを余儀なくされてしまって。そんなことは日常茶飯事だけど、少し奇妙なことがありまして。
街灯なんかもない坂で、ときどき車のライトに道に散った小枝が照らし出されてたんだけど、最初のうちは、まぁ強風でも吹いて飛ばされたのかなと、そんなに気にならなかったんだけど、でもいやにその光景が続いく。よく考えるとこちらの車線側しか落ちてないし、そんなに強い風も吹いてなかったのになんだか不思議だなとか思い始めて。
で、坂を下りた街灯のあるところでようやく状況が判明。10t車くらいのトラック（ここのウィング車ってなカンジ）だったんだけど、その横の扉が開いてる。扉というのは上に向かって開くやつで、その左側が完全に開ききっていて、まるで左手を挙げた翼竜みたいになっていたのね。
その左手の先端から地面からまで１５ｍぐらいはあっただろうか、それが木の枝をバサバサなぎ払っていたというわけ。
えーなんで、って驚くと同時に、トラックが左折したときチラっとみえた、なにかの積み荷が落ちてきたらやばいよなぁとか思いながらも、向かう方向が同じだったからしかたなくこちらも同様に左折して平地の道をあとに続いたのね。
坂を登り始めたときから、ボクの前にはーしたがってそのトラックの後ろにはーバンが走ってたんだけど、どうもそのバンは近いせいかその事態には気づいてない様子。
知らせる術もなく、とにかくトラックとバンの二台と距離を置いて走ったんだけど、やがて積み荷だけじゃなく、あの高さじゃいろんなものを道路に落とす危険があるなぁ。たとえば信号なんか、なんて思った瞬間、先の方でガンと音が。
横断歩道が一つあるだけの押しボタン式の信号にぶつかったようすで、その信号が壊れこそしなかったものの、少し揺れているのが遠目で分かる。
でもトラックの運転手さんはそのまま運転し続けたのね。
こりゃなにかとてつもなくやばいことに巻き込まれるかもと、すぐに進路を変えてトラックさんとはおさらばしたんだけど。
いったい運転手さんになにがあったんだろうか。そういえば少し蛇行していたような気もするんだけど。
なんだかよく分からないけど、でもこれだけは大きな声でいいたい。
手を挙げて横断歩道は横切るなっつーの。