恐れ

子供たちはこの父親を恐れている。夕食後、人生のきびしさを諭そうと、こっちに来るよう呼びかけても、あまりに恐ろしいのか、おもちゃから目と手を離そうとしない。その不遜な態度に業を煮やしこちらから近づくと、「パパ、くさーい」と逃げていく。それほどお酒臭い父親は恐れられている。
でもそれでいいのだ。子供のときに恐れを感じることは、将来犯罪者にならないために必要なことかもしれないからだ。


米国の心理学者が、ある研究のために1970年代から集められていたデータに目を向けた。
データは約1800人の3歳児に2つの異なる音を聴かせて、その時の発汗状態を測定したものだ。二つの音のうち、ひとつはそれが流れたあと、常に騒音が鳴り響いた。他方の音には騒音は伴わなかった。
やがて子どもたちは、どの音が騒音に先行するか、予想することを学ぶ。騒音が鳴る前の音を聴いたときは、今からけたたましい音が鳴り響くぞと恐れを感じ、もう一つのときは恐れを感じずに音を受け入れる。それぞれの音を聴かせたときの発汗の程度を測定しそれを恐れの評価として使おうとしたものだ。
そのデータが当時どう利用されたかはネタ元では述べられていないが、とにかくそのデータを元に研究者らは、数十年経った今、そのときの被験者のうちの誰が犯罪者歴を有するようになっていたか確かめた。すると1800人中、137人が犯罪歴を持っていたことが明らかになった。
その137人と犯罪歴がなかった被験者の昔のデータを比較して見ると、よちよち歩きの幼児のころから彼らは、著しくより汗をかいていない、つまり恐れを感じていなかったことが判明したという。
「このことは、何人かの子どもは生まれながらの犯罪者だということを意味するものではない」「犯罪の多くの原因がある」と研究者がいっていることも付け加えておこう。
こんな人生の話をお前達にしたかったのに。
え?そんな話、嘘っぽい、だって?だったらパパを見ろ。ママを恐れているから犯罪者にはなっていないだろ。
え?ママから怒られて、くちばしのように唇を突き出す姿を見たことがあるってか。ああ、あれか。
反抗的な態度に見えるかもしれなが、決してそうではない。





ネタ元
Toddlers insensitive to fear go on to commit crimes

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