7つ年が離れている長男である兄は確かに賢かった。ガキ院長がまだ10より上を数えきれないとき楽々と足し算引き算をこなしていたほどだ。さらにはガキ院長が足し算引き算ができるようになったときには、すでに方程式を解いていたような記憶がある。
だから兄は賢かったということは、世の中を渡る術を心得たいま、素直に認めることができる。
だが長男はみんな賢いのだと断定されると話は別だ。次男坊としてはぜひ反論したくなる。いくらノルウェーの研究でそんな戯れ言のような結果が出たからといって、許されるべきものではない。
研究は大規模で、1985年から2004年にわたって国軍に徴兵された18才から19才の男性25万人を対象にしたものだ。入隊時に彼らは知能テストを受けさせられる。研究者らはそれを使った。
さらに出生時記録と医学記録でほかの兄弟がいないかどうかをチェックし、もし兄弟が亡くなっていれば生後間もなくかどうかを調べた。
すると長男は次男よりIQが2.3ポイント高く、このより早く出生した方がIQが高いという傾向は次男と三男の間にも見られた。
だがおもしろいことにこの現象は実際の出生の順番によるものではなく、死亡した長男がいるとき、若くして長男になった次男は、生まれてからずっと次男として育ったものより2.3ポイント高かったという。
こうしたことが起こる理由について、長男は親とのマンツーマンでの接触の時間を長く持つことができるとか、より多くの投資を得ることができるなど、なんとなくしろうとでも思いつくようなことが述べられているが、それはさておきまず結果が真実かどうかもう一度検討されるべきではないだろうか。
実際にこの研究に参加した”次男坊の研究者”がほかの三人の兄弟にこの結果を話したときの話がこう紹介してある。
「一番よろこんだのは長男だ。ほかの三人はちっとも信じなかったよ」
つまり長男以外の兄弟には受け入れがたい事柄なのだ。
そういうわけで早速検討してみたいが、今、この話題を兄に持ちかければ角が立つに決まっている。だから幼い日を思い出しながらこの結論が正しいのかどうか、思考実験してみたい。
ガキ院長「お兄ちゃんはバカでちゅ」
兄貴 「お前の方が賢いというわけだな」
ガキ院長「ちょうでちゅ」
兄貴 「二人のどっちが賢いか、その答えが分かったわけだ」
ガキ院長「ちょうなんでちゅ」
兄貴 「…」
ガキ院長「…お兄ちゃんのバカバカ」
まぁこんな調子で成人してからも兄弟間の平穏が保たれているわけですな。
ネタ元
Firstborn children are the cleverest