死というものを理解するには、相当に抽象的な力を要する。たとえばライオンは仲間の死骸をむさぼり食うし、この院長でさえ医者としてもうすでに死に絶えていることをいまだに理解できないでいる。
だがチンパンジーは違う。腐敗が始まるまで、愛しい仲間の死骸をいつくしむ。つまりなんらかの形で死に興味を抱いているということだ。チンパンジーのこうした行動はよくしられているが、アフリカ象もそうかもしれないという記事があった。
ケニアの研究者が25m離れたところに象の骨や象牙を置いて、象の群の行動を観察した。
17の群を対象に象と水牛とカバの骨を置いたところ、触ったり嗅いだりして、とりわけ象の骨に興味を示した。
19の群を対象に骨と象牙と木を置いたところ、象牙に一番興味を抱き、次に骨に関心をもった。
だが最近群の仲間を亡くした3つの群を対象に、その仲間の骨とほかの群の象の骨を二つ、計三つを置いたところ、とりわけ仲間の骨に興味を示すことはなかったという。
チンパンジーも象も知能が高い社会的動物だから、そんなことがあっても不思議じゃなかろうとネタ元でその筋の学者はいっておられる。
骨だけ見せられても象も困ったんじゃないかという気もするけど、とにかく同じ仲間の死には関心があるようだ。ネタ元には「足でそっと触りながら」仲間の骨を確認していたとも書いてある。
まぁライオンハートを持ち合わせたヒトもいるようだし、まことに死を理解するのは難しいということか。
(産経新聞) – 10月29日
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Elephants may pay homage to dead relatives