ゴキブリは虫だ。だがとても違和感がある。”夏休みに昆虫網で追い回す”という個人的な虫の定義からすると、ゴキブリはきわめてかけ離れた位置にいる。いくら学問的な説明を受けても身体が拒否している。
なぜやつらは家のなかにいるのか、なぜやつらは柔らかく平ぺったいのか、なぜ油を身につけているのか。拒否の理由はいくつもある。なにを考えているのかよく分からないのもその一つだ。
夜中に台所からじっと見つめているゴキ野郎。ビールを飲みたいのか? 院長を仲間だと思って声を掛けたいのか? お前こそ本当に医者の仲間なのかと疑問を投げかけたいのか? 一体お前はなにを考えているだ。
そうしたゴキたちの思考の一端がどんなものかを明らかにする記事があった。
写真のように50匹のゴキブリを容器のなかに入れる。容器のなかには3つのゴキブリ用の隠れ小屋が用意してある。50匹以上収容できる大きさの小屋を3つ用意すると、さてゴキのやつらはどう振る舞うか。
ゴキブリは集団を好むらしい。台所から見つめているゴキは団体さんの右代表ってわけだ。ということで結果はこうだ。50匹はすべて一つの小屋に入ってしまうのだ。
50匹がうごめく光景はおぞましいが、実験は続く。
では40匹しか入らない小屋を三つ置いたらどうなるか。なんと25匹づつ分かれて二つの小屋に入るというのだ。一つの部屋は空っぽのままなのだが、それでも構わない。集団でいることに利点を見いだしているゴキたちは、属する集団が最大数になるように、リーダーなどなしに行動しているという。
そうだったのか。団体で院長を見つめることをしないだけ彼らは、きっとやさしい心の持ち主なのだろう。そのやさしさでついでに台所にある集団の居場所を教えてもらえないだろうか。そのときはこちらもやさしくシューしてあげようと思う。ちょっと苦しいかもしんないけど、がまんしてね、とやさしく声をかけるつもりだ。
ところで記事を見て一つ疑問がわいた。
25匹しか入らない小屋が一つだけなら、彼らは一体どう振る舞うのだろうか。推測されるのは25匹は小屋に入り、25匹は外にいることだ。その場合、小屋に入るか入らないかは偶然に決まるのだろう。
おもしろそうなので、ではこの写真のような容器の空間に1000匹のゴキと500匹しか入らない小屋を一つ入れるとどうなるかと考えてみた。
500匹が小屋のなかに、残りの500匹が小屋の外にいることになるのだろうか。あるいは狭い空間では容器そのものがひとつの小屋として受けとられ、みんな小屋の外にいることになるのだろうか。
ぜひ研究者に実験してもらいたいものだ。
ただ実験しなくても確実に分かることがあることに気づいた。
スタッフ「何ですか」
院長 「500匹にしろ1000匹にしろ、虫たちが容器のなかを走り回るわけだ」
スタッフ「で?」
院長 「虫の複数形は虫ズ」
スタッフ「だから?」
院長 「虫ズが走る」
不思議ですね。奇数匹を入れたら、どうなるんでしょうか?
先生、気になりません?
色が嫌だという方がいますが、2~3ケ月前に白いゴキブリを見ました。
アルビノとか云うんでしょうか?
捕まえて、観察後つぶして捨てました。
奇数のときですか。どうなるんでしょうね。
ところでアルビノを潰したときの音はやはり、ゴキ、とかブリでしたか?
みちゃ、って感じでしたよ。
ゴキブリを見かけるときは大抵単独なので
そんなに集団で暮らすことにこだわるとは知りませんでした。
ゴキブリは飛行する姿がもっとも嫌です。
もしも集団で飛行していたら・・・・
想像したら虫ズが1000筋くらい背中に走ります。
あぁ・・その想像もまた嫌な想像を生みます。
大きな声ではいえませんが、医○会も集団で暮らすことにこだわるんですよ。