理解

この1カ月、オンライン電子処方箋についての接続環境にあくせくしていた。お上が定める書式の電子処方箋ファイルのプログラムはできている。それをマイナなどを使って確認するネットワークの回線に乗せればいいだけなのだが、その回線の構築がうまくできない。
お上からは多くの説明ファイルが提供されており、それらに目を通すも全体像がつかめなかった。

確かに資料はあまり見通しがいいとはいえないものの、それにしても理解できない。年のせいで理解力が落ちたのだろうか、と悩みつつも、落ちるような理解力など初めから持ち合わせてなかったことに気づき辛抱つよくやっていると徐々に見えてきた。

理解すれば簡単なことだ。なぜこんな簡単なことが理解できなかったのか、理解できない。いや簡単なことだと理解できたことは理解できたが、いったいどこが理解できていなかったのか、理解できたとは理解できていない。

そこで理解力がなくなったときに、理解できるように問題をメモしておきたい。

まず本番環境とテスト環境がある。たとえば男前にするくすり、具体的には年老いたみすぼらしい老人を若くてフェロモン溢れる男性に変えるくすりがあるとしよう。ためしに院長に処方箋でそのくすりを出したとする。本番環境でやればその情報はオンライン認証ができるところではどこでも見ることができ、院長が年老いたみすぼらしい老人と間違って判断されることになる。

そうした事態を避けるためにテスト環境があるのだ。

本番とテストを切り替えるアプリはお上から提供されており、それぞれの接続環境でIDとパスワードを設定し、それぞれの環境に資格マネージャーを使ってIDとパスワード記憶させればいいだけのことだ。

注意点は、強いていえばアプリで環境を変更してから資格マネージャーの操作を行うという手順と、あまり耳なじみのない資格マネージャーの理解ぐらいだろうか。その資格マネージャーも単にIDとパスワード記憶させるものだと理解すれば、院長は男前だが、そのいわんとするところは男前な院長だと理解するようなものだろう。

ところで保険証としてのマイナの利用率が5%程度、保険情報の数々の誤入力、たとえば低身長などで顔を写し取ることができないなど、その使用に制約があるなど、マイナですべての保険証を代用するなど夢もまた夢の状況。それなのに12月から保険証が廃止されるなんて相当に無理がある。

理解すればとても簡単なことだが、お上がこの事態を理解ができないのはまったく理解できない。