ヘルペス

herpes
 ヘルペスというウィルスがある。いくつかのタイプがありそれぞれの病気を起こすのだが、有名どころは口の辺りにぶつぶつを作る口唇ヘルペスだろう。通称”風邪のハナ”とも呼ばれ、風邪を引いたときなどに出てきて、わずらわしい思いをされた方もいると思う。
 このヘルペス、なぜ口のまわりにできるのか、ずっと不思議に思っていた。
 その疑問が今日めくっていた医学雑誌に載っていた内容で氷解したので、メモしておこう。


 こやつら、人の体内にはいると、細胞の中や神経の節のところに潜む。そして感染している人、すなわち宿主の体力が落ちるとやおらそこから出てきて悪さをする。
 そんな卑怯者は消ヘルペス。
 このシャレの意味が分からない人は、自分で考えることだ。ヘルペスだって自分で”判断”してるのだ。
 ウィルスが自分で考えてるだって?院長が考え事をしないのは分かるが、相手はウィルスだぞ。いくらなんでもそりゃないだろう。
 そう驚いた方に少し説明しよう。
 人の身体に潜んで機をうかがって悪さしようとするウィルスはほかにもあるが、普段は人の持つ免疫力でその活動が押さえられている。ところがこのヘルペスというのは、活動せずにじっとしているのだ。
 そして人の身体の調子が悪くなると、遺伝子のなかに組み込まれた仕組みで、自分の判断で起きるというのだ。
 もちろん”自分で判断する”というのは比喩なのだが、ネタ元の雑誌ではこんな風に書いてある。
 口唇ヘルペスが病気を起こすのは「宿主を捨てて他の宿主へ移動しようとする行為」であり「宿主から逃げ出す様は、船底に隠れていたネズミが、船が沈む前に危険を察知して、いち早く逃げ出す様子にも例えられる」
 どうだろ。これでなぜ口のまわりにヘルペスが出来るか、もうお分かりいただけたはずだ。人でも同じだ。たとえば映画館で火事になったらどうするか。みんな非常口に集まるはずだ。
 ヘルペスも一緒で、集まる場所は非常”口”なのだ。
 とまぁ、なんにしてもカミさんの前で普段死んだふりしているものとしては、ヘルペスの決断力にはあこがれるばかりである。

このタイプのヘルペスは顔や耳、あるいは腕など口以外にもできます。
非常口から出るやつばかりではないということでしょうね。
ネタ元 日本医事新報5月21日号 「疲労とヘルペスウィルスの再活性化」

“ヘルペス” への4件の返信

  1. 口には神経の節があるということ? のぼせとも いいますよね~? アレとは違うのかなー

  2. 口の回りにも陰部にも出ますが、宿主を捨ててよそに移るためだとしたら、宿主に何を期待しているんだろう?
    すけべウィルスだ!

  3. 私も年に2.3回やられています。なぜ?日頃の行いでしょうか?

  4. うちのばあたんも、体調悪くなると唇にヘルペスが出ます。説明しても忘れてしまうので、触りまくって悪化させてしまいます(汗)
    「命の危険を感じると、性衝動が高まる。子孫を残そうとするからだ」
    といった内容の話を聞いたことがあります。
    それと関係しているんだったら、ヘルペスってなかなかいいところに目をつけてるかも。
    …と、ちょっと思いました(考えすぎ)

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