お好み焼きやさんのメモ。往診先の隣の店で、いつもいい匂いが漂っている。
で、つい2週間前初めてのれんをくぐってみた。普段の往診はお昼時で白衣姿でやってんだけど、その姿で食堂に入るのもいかがなものかと遠慮してたのね。でも、そのときは他にも用事があり私服だったので往診のあと、思い切って入ったのでして。
スポーツ新聞やマンガ本が棚に無造作に重ねられ、テーブルが三つほど置かれている小さな食堂。先客も二人いて、主のおばちゃんが陽気にオーダーを訊いてくる。
壁に貼られたメニューを見るとかなり安いお値段。そのなかの肉皿うどん350円を頼んだんだけど、味もボリュームもまずまずで、まぁなにか機会があればまた来ようと、貧乏グルメの頭のなかにインプット。
で、先週の金曜。そのときも私服で往診に行ってたので、またまた匂いに誘われのれんをくぐる。前回と同じ肉皿うどん350円なりを注文したんだけど、客はだれもいなかったためか、おばちゃんが「イカ天を入れとくね」とやさしそうに声をかけてくる。ああ、ボクを覚えてくれてたんだって、うれしくなり喜んでお願いしたわけ。
おばちゃん、なんでもダイエーファンらしく、そばに置いてあったスポーツ新聞を材料に、マジックの話とかボクの知らない選手の話をしながら手を忙しく動かし続ける。
やがて出来上がった皿うどんに入ってたのは、駄菓子屋さんに売っているようなお菓子のイカ天。
まぁ決して皿うどんとマッチした味というわけではなかったけど、そんなことよりおばちゃんの気持ちの方がうれしいよね。
で、お勘定の段になると「はい、400円」といわれる。もう一度壁の値段表を見ても確かに肉皿うどんは350円なり。ちょっと不思議に思ったけど、でもまぁおばちゃんの気持ちをくんで、なにも詮索せず払った。
きっと350円が400円になったのは、やはりイカ天が入ってたためだろうね。
味はヒットじゃなかったけど、イカ天は、つイカテンだったのね。