ブータン王国

 遠いヒマラヤのブータン王国でタバコが全面的に製造販売禁止になった。世界で初めてのこと。

 首都ティンプーを初め王国ではどこかしこでも、タバコを吸ってはいけないのだ。あの図書館やあの郵便局やあの病院、すべてで禁煙となった。ブータンへは行ったことはないけど、あの本がたくさん置いてある図書館も、あの郵便物がたくさん集まる郵便局も、あの患者がやってくる病院も、タバコは吸ってはいけないのだ。
 罪を犯したものには210ドルの罰金が科せられ、ホテル業者は免許を剥奪される。外国からの人がタバコを売ろうとすると、密輸の罪に問われるという。
 だいたい日本が甘すぎる。人に迷惑をかけないシートベルト非着用を取り締まるくらいだったら、そばにいるものが臭くてたまらないタバコをなぜ禁止しないのか。覚醒剤取締法があるくらいだ。なんで”かぁー、臭せい罪”をタバコに適応しないのか、不思議でならない。
 ここまでメモすると、喫煙者のなかにはいらだちを感じる人もいるかもしれない。彼らにとっては目障りなことを始めたブータン王国に、恨みさえ抱くものも出てくるかもしれない。
 なるほど喫煙者にも権利というものがあるんだろう。だったら、ブータン王国を初め、ブータン日本大使館、ブータン郷土品販売店、ブータン県人会など、思いつくところへ抗議の電話をすればいい。そんな全面禁止という行為は、基本的人権を犯すものだと、訴えればいい。
 鼻であしらわれるようなことがあっても、ねばるのだ。「どうして喫煙の権利を奪うのか」、そう主張し続けるのだ。
 そのうち、相手は嫌気をさして、「電話を掛け間違えてませんか」と言い出すはずだ。
 それでも言い張っていると、静かな切断音が聞こえてくるだろう。
 そのときようやく、喫煙者は気づくに違いない。
 自らの主張が、ブータンの掛け違いだったことに。

外人旅行者、外交官、NGO関係者には適応されないということです。

“ブータン王国” への1件の返信

  1. ブータン、吸いたいブーとか言って偉い人達は吸ってそぉですね(☆o☆)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。