パイプカット

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 ネットサーフィンしてると、右の写真のような医学ジャーナルのサイトに出くわした。そのトップ記事に”Curing Obesity through Sterility: California ‘s Controversial Program Under the Microscope”というのがある。
 訳すと、”不妊治療で肥満を治す。カリフォルニアで議論彷彿”、てなことにでもなるんだろうか。
 とにかく読んでみると、びっくり。リチャードギアが一国の首相相手に踊っているのも驚いたけど、その比じゃない。


 なんと肥満の人に希望があれば、無料でパイプカットするというプログラムが、サンフランシスコで基金をつのって開始されているというのだ。
 その理論的背景は、パイプカットで肥満の遺伝子が消失していくことになるからだという。ホモサピエンスの進化のなかで肥満という劣った遺伝子を消し去るという。つまり個人的な肥満を治すのではなく、社会的に肥満をなくすというのだ。すでにこの取り組みは州全体へ広がりつつある。
 パイプカットされた人の心理的な影響とか、パイプカットしたあとも妊娠する可能性とかを検討し、その遺伝子の撲滅へ向けてのきめ細かな取り組みが述べてある。
 ちょっと待ってよ。いくら院長がリチャードギア似で、パイプカットしなくてもいいとはいっても、一言いいたくなる。これじゃ本質的に遺伝子の優劣を語ったナチスと一緒じゃないか。あと数歩で、かの有名な”断種法”にたどりつくじゃないか。こんな蛮行が米国でまかり通ってるのか。
 ぞっとする。
 でも、またまたちょっと待って。よく考えると、くだんのジャーナルの名前なんて聞いたことがない。あるいは、でまかせサイトかもしれない。そこで、そのサイトのプロフィールを読んでみたのだけど、地域の医師が有志で集まって云々と説明があり、それなりにまとやっているようなのだ。
 でも、またまたまたまた、ちょっと待って。このパイプカットの実施、昨年の10月から開始しているということだけど、そんなニュースは聞いたことがない。でも知らなかっただけかもしれない。で、事実を確認しようとネットで「肥満、パイプカット、カリフォルニア」等々いくつかの組み合わせで探しても、どうもヒットしない。
 正直、真偽の判断に迷ってしまった。でも目に触れた以上、なんでもいいからメモして置こうと、パソコンに向かい、もう一度、念のためにと検索をしてみると、その話題を扱っているサイトがヒット。それを追っていくと、どうもガセネタということが判明したのね。
 まぁなんとなく一安心。
 正直、”Shall We 断種”ってなカンジでパイプカットされちゃ、たまらないよなぁ。

ネタ元→ Curing Obesity through Sterility: California ‘s Controversial Program Under the Microscope
このサイト経由→BARKING MOONBAT EARLY WARNING SYSTEMで、またこのサイトへ戻りました→Yes, this is a FAKE Medical Journal website for a FAKE medical association, complete with a fake voicemail system.

“パイプカット” への2件の返信

  1. もう少しでアメリカまでパイプカットツアーに行くところでした。

  2. 日本の肥満とアメリカのそれとでは、かなり基準が違うんでしょう。
    アメリカでは小錦みたいな女性ざらに居ますが、日本女性はせいぜい森公美子くらいですもんねー。

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