ヒラリークリントン




 右手にマイクを持ち左手をお腹に添えて立つ女性は今大統領選をたたかっているヒラリークリントン女史だ。彼女が自前の選挙キャラバン飛行機内でキャビンアテンダントよろしく、プレスを前にジョークを交えてアナウンスをしたという記事があった。
 離陸する前の、滑走路に向かって行くときのことだ。
 もちろんメディアに向けてのものだから、彼女の選挙参謀本部で十分練られていたものであることは想像に難くない。
 だがそこには問題がある。生徒会会長選を戦った経験があるからこそ分かるのだ。


 早速どういうジョークだったのか、記事のいくつかをメモしてみよう。ただしクリニックの明日が分からないものが、世界情勢など理解できるはずもなく、正確を期すため子供ニュースを参考に院長が状況を鋭く分析したものについては括弧をつけてメモしている。

「みなさま、こんにちわ、ヒラリーフォースワンの処女飛行へようこそ」
 ご存じのようにエアーフォースワンは大統領専用機のことで、ヒラリーフォースワンという言葉はそれをかけているのだ。
「ヒラリークリントンと申します。機内でみなさんとご一緒できて、うれしいかぎりです」
 これはメディアとの関係がときどきうまくいかないことを踏まえての発言だ。
「数分後、シートベルト着用のサインが消えますが、起きないと思っているときにガタガタ揺れるということを最近知りました。ということでしっかりとシートベルトをつけておかれるようお願いします」
(最近の他候補者からの追撃を念頭においているはずだ。生徒会長選のときも同じようなことを経験したことを思い出す)
 そして機を逃さず彼女は政治的主張を展開する。
「右手をごらんください。最富裕層への減税と終わりなき戦争のアメリカがご覧いただけます」
(現政権の保守的共和党を念頭においているのは明かだろう。もちろん右は右翼に通じるものだ)
 
「左手をごらんください。国内には力強い中産階層がいて、対外的に強いと評価されるアメリカがご覧いただけます」
(ヒラリーが所属するリベラルな民主党をアピールしているわけだ。この場合の左は左翼を意味するものだろう)
 そして最後に女史はこうアナウンスした。
「もっとも経験ある候補者の飛行機に搭乗いただきましてありがとうございました」
(この言葉は、前クリントン大統領とのつながりを強調したものだ。今回の選挙で女史はなにかと経験を売りにしているというのが子供ニュースにもあったから間違いない)

 ざっとこんな具合のパーフォーマンスだ。
 なかなかおもしろい。とくにプレスに右と左に注意を向けさせて説明するくだりなど、味があるではないか。
 だが参謀たちは決定的な過ちを犯している。女史のアナウンスにはアクセントがまるでないのだ。強調するところは強調しなければならない、それが生徒会会長選を戦ったものとしての教訓だ。
 結論をメモしよう。
 リベラルな自分の主張を際だたせるために女史は空いている左手を大きく掲げるべきだった。ヒラリーはマイクを持たない空いている左手を大きく上に挙げ、プレスに向かってこう切り出すべきだったのだ。


ネタ元
Clinton in flight attendant spoof

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