薄氷




 薄氷を踏むような事態が、今まさに北極で起こっている。昨年の夏、科学者が北極の海氷が縮んだと発表したが、それは今までにない深刻さを伴っている。夏場での縮小は約40%で長期的な平均を大きく下回っているという。
 それだけではない。3m近くの厚さがあった氷が夏の間に50cmまで薄くなっているのだ。


 海水表面温度が平均より3.5度も上がっているのに加え、異常に吹きまくった夏風や雲の減少による日照量の増加などいろんな原因が考えられているが、とにかく異常気象と関連した現象であるのは確かなようである。
 ただ困ったことにどういうわけかその深刻さが伝わってこない。
 このままでは文字通り薄氷を割ってしまい、溺れてしまうかもしれないという、まさに人類の存亡に関わるようなことが起こっているというのに、情けないことに、去年は少し気温が高かったかな、という程度にしか気にならないのだ。
 新しい年を迎えるにあたり、こんな態度ではいけないと反省している。
 もっと環境のことを考えるようにしよう。患者にもこの事態を伝え、エコの医者として評判を広めてもらおう。
 詳しい説明を求められたときはごまかさずに、よく知らないと答えよう。ただ薄氷を踏むような事態を関心をもって受け止めているということだけはぜひ知ってもらいたい。


ネタ元
Portrait of a Meltdown: Many factors led to 2007’s record low in Arctic sea ice

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