嗅覚

 昼からなんだか熱っぽくなってしまった。熱を出す病気というのはゴマンとあるけど、全部はいくらなんでも覚えきれない。それでも風邪、風邪症候群、風邪症候群疑とスラスラ上げられるのは、さすがに名医ならではのことだろう。そのうちの一つである風邪の可能性が高い。
 で、ネタ探しも億劫になったので、イヌのメモでもしようかと。

 クリニックに子犬がやってきて、半年になる。イヌの世話というのは、幼いころ散歩なんかにときどき連れていってたので、さほどでもないだろうと踏んでいたのだけど、それがとんでもない。
 ペットフードの用意から、フンの始末、散歩、遊び相手になる、ビールを隠すなど、やることが結構あるのだ。そばの女性のいいなりになっていた方がよっぽどマシと思えるくらい、面倒だ。
 で、これだけ時間を費やしてやってるんだから、少しぐらい人のいうことを聞くようになったかというと、そうじゃない。できるのは、せいぜいがお座りだ。
 これじゃ、行く末が思いやられるので、少し科学的アプローチを試みようかと読んだ本(注)に書いてあったこと。
 イヌの嗅覚がすぐれていることは周知のこと。で、警察犬などが犯人の足跡を鼻をクンクンさせながら追っかけているのを見かけた方も多いかと。
 あれってどうして犯人が逃げた方向へ嗅いでいくんだろうね。
 かくいう本人も本を読むまで、疑問としても浮かばなかったんだけど。
 確かにクンクンしたあと、靴の跡、つまりどちらが踵でどちらがつま先の跡かを考えているイヌなんか見たことがない。
警察官「お前、大丈夫か」
犬さん「調子悪いス」
警察官「形を見て判断してないだろうな」
犬さん「まさか」
警察官「ほんとに大丈夫か」
犬さん「大丈夫ス。でも今日は調子悪いス」
警察官「どういうこと?」
犬さん「犯人は下駄履いて逃げてるス」
警察官「……」

(注)「犬の科学」築地書館。
方向が分かるのは、犯人に近い方の足跡の方が、臭いが残っているということらしい。

“嗅覚” への5件の返信

  1. 靴は匂いが残るけど、下駄には匂いがのこらないか。

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    ↑ 極端な内股かガニ股の犯人

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